『明日の記憶』を観ました
思い出のすべてを、あなたに託す
『明日の記憶』(2006)ちょっとまえに韓国映画『私の頭の中の消しゴム』が大ヒットした。ターゲットは…20代~30代かな。本作のターゲットは、主人公・佐伯と同じ、仕事一筋ン十年の人とか、もうちょっと上な気がします。というか、そういった年齢層にも受け入れられる内容です。原作は第18回山本周五郎賞を受賞し、2005年「本屋大賞」の第2位に輝く荻原浩氏の傑作長編『明日の記憶』。 重いテーマの中に心和ませる上質なユーモアを織り込み、喪失を乗り越えていく夫婦の情愛を、映像化するのは、『トリック』『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』を手がけ、本作で新境地を切り拓いた才人・堤幸彦監督。 【ストーリー】広告代理店に務める佐伯雅行(渡辺謙)は熱血営業部長。大型契約をとりつけて、いよいよこれから正念場と言う時に、次々に信じられないことをしてしまう。目がくらむ、人の名前が思い出せない、仕事のアポイントメントを忘れる…。妻が一度検査を、といっても頑として耳をかさないが、同じ物を大量に購入してくるのを機に妻の枝実子(樋口可南子)は「娘の結婚式に出なかったら一生恨まれるわよ」とサラリと佐伯の弱みを突き、納得させる。さまざまな検査の結果、医師(及川光博)による診断はアルツハイマー病だった。夫婦の二人三脚がはじまり…。 妻の行動も秀でている。今後を見越して、即座に収入源を探しはじめたり…。仕事をはじめても家事は、きっちりこなしてから出かける(主婦の鑑だ)。食事のコントロールで、自分の不得意なものも夫に合せる、それもさりげなく。愛情タップリの愛妻弁当にはノリでのラブラブたっぷりメッセージ付き。一方で、夫が、妻の好き/嫌いを把握している事が、夫婦の絆を感じさせたりします。佐伯にとっては繋がっていない日々(状態になっていく)、でも妻には全てが思い出として残る。その過程も辛さ(といっていいのか?と考えつつ)。夫婦って、家族って…。 鑑賞後スグに、本作の堤監督とすれ違う。あまりにタイミングが良すぎて…幻想かと思った、不思議だ。[2006/2/22] |
『明日の記憶』あしたのきおく |
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