テクノポップ/フューチャーポップ

Perfumeで盛り上がるニコニコ動画

Perfumeシリーズ第3弾、今回はPerfumeのPV風アイドルマスターで盛り上がるニコニコ動画について考えてみましょう。そして、著作権についても。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ついにブレイク?Perfume

前週に続いてPerfumeネタです。Perfumeの最新シングル『ポリリズム』については、公共広告機構のCMを軸に書きましたが、PVがYahoo!動画で先行ストリーミング配信されています。正直、驚愕しました。ただCM曲を延長してシングル曲にしたものではなく、それを超越するエレクトロチューンとして出来上がっています。中盤の「ポリリズム」としつこい位繰り返すループで、完全にノックアウトされます。GONZOによる幾何学的PVも、楽曲と映像が相思相愛って感じです。まさに快楽の無限地獄。中田ヤスタカにとって、Perfumeをもはや芸術的表現手段なのでしょうか?

Yahoo!動画 - 音楽 - Perfume スペシャル - Perfume 「ポリリズム」

ニコニコ動画とは?

本日のテーマは、Perfumeとニコニコ動画の関係。ニコニコ動画とは、YouTubeみたいな日本の動画共有サーヴィスです。運営しているのは、ニワンゴ。東証一部に上場している携帯電話向けコンテンツ配信を根幹事業としているドワンゴの子会社です。ドワンゴ(DWANGO)って、変てこな名前だと思っていましたが、Dial-up Wide Area Network Gaming Operationの頭文字をとったものです。ニワンゴの社名は、「ドワンゴ」と取締役でもある2ちゃんねる管理人、西村博之の「二」を合体させたもの。東証一部上場企業とは思えない、フットワークの軽さがあります。avexがドワンゴの筆頭株主というのも、面白いですね。

ニコニコ動画(RC)

市場に衝撃を与えた製品

ニコニコ動画は2006年12月に実験サーヴィスを開始した、まだ歴史の浅い事業です。YouTubeの時も、その成長のスピードに驚きましたが、ニコニコ動画も急成長中です。YouTubeが現れた時、「これって、欲しかったんだよね」と素直に思いました。でも、「これって、いろんな法律や圧力(特に著作権)でビジネスとして存続するのだろか?」と正直感じました。イノベーションをスローガンに掲げる企業は多いですが、この場合、イノベーションは、実行力と根性の賜物です。経済誌「Forbes」が選んだ「2006年市場に衝撃を与えた製品」の1位に、YouTubeは選ばれています。ちなみに日本企業では、任天堂のWiiが3位です。そして、GoogleはYouTubeは16億ドル(約1,800億円)で傘下に収めました。

ニコニコ動画の差別化

この動画共有というのはYouTubeの独占市場です。ニコニコ動画がYouTubeレベルの価値を生むかは分かりませんが、ニコニコ動画にはYouTubeにはない差別化が出来ています。ニコニコ動画自体には、アップロード機能はありません。他の動画サイトからリンクしたものが閲覧できるコバンザメの様な仕組みです。最初は、YouTubeにも対応していたようですが、アクセス拒否されてしまったようです。同じ、ニワンゴ内にSMILEVIDEO(「ニコニコ動画」の英訳じゃん!)がありますから、実際自己完結しています。ここで重要なのは、動画にコメント機能がある事です。YouTubeではトラックバックのコメントが見れますが、ニコニコ動画の場合、コメントが動画とシンクロしているんですね。

動画コメントというのは、最初その効果のほどが分からなかったのですが、幾つか試聴する内に、知っている動画でさえも新しい発見、価値が見出せることに気づきました。人気のある動画だと、解説、批評、アホなつっこみ、空耳がテキストで現れます。一人で動画を見ていては得られなかった体験です。動画共有サイトを越えた、動画共感サイトの可能性を感じます。中には、暴言、意味不明のコメント、品位に欠ける発言、画像が見えなくなるほどのコメントの嵐があり、正直うざい場面もありますが・・・まぁ、いやならコメント非表示できます。
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