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「モンスターペアレント」と呼ばないで!(2ページ目)

モンスターペアレントを責めたり、排除しようとする最近の風潮に「No!」。モンスターペアレントにだって事情があるんです。どうすればお互いが理解し合えるのか、考えてみました。

執筆者:松原 美里

子どもの言葉の真意を読み解いて

お母さんと子ども
注目を集めるため、お母さんの気を引くために、話を大きくしている可能性がないとは言えません
「うちの子どもがこう言っていたから!」とお子さんの言葉を信じて、一方的に園や学校を責めてしまう保護者の方がいらっしゃいます。「うちの子が嘘をつくはずがない」と頑なに考える前に、一度子どもの言葉をもう一度確認してみましょう。

子どもは親に愛してほしいという想いから、わざと気を引くようなことを言ってしまうこともあります。子どもと一緒になって学校側と敵対することで、一時的に子どもとの一体感は得られますが、言葉の一部だけを捉えて学校や園と敵対しても、本当の意味で子どもの心はハッピーになれません。

まずは、子どもの本音をとことん聞いて、その奥にある「寂しい」「悲しい」「悔しい」「本当はこう言いたかった」などといった本音の気持ちを受け止めてあげましょう。子どもは親に本当の気持ちを知ってもらい、抱きしめてほしいと思っているのです。

親は皆、子どものために何とかしてあげたいと思うもの。それが当たり前の感情なのに、なぜ「モンスター」などと呼ばれてしまうのでしょう? 人には誰しも、不当に扱われてカッとなったり、傷つけられたように感じて権利を取り戻そうとしたり、分かってもらいたい・受け止めてもらいたいという気持ちを訴えることがあるかと思います。

松原も子どもを預かる側として、主張がヒートアップし、討論に発展したことが実は何度かあります。怒りに任せて論点がどんどんズレてゆき、最後には怒りと怒りのぶつかり合いで終わる、悲しい結末になることもありました。本当はどうしたかったのでしょう? お互いに気持ちを受け止めあって、子どもの明るい未来のために歩み寄りたかったのです。そう気がついてから、人とのかかわり方を気をつけるようになりました。

子育てはコミュニケーションについて考え直すチャンス!

私たちは学校の授業や家庭でコミュニケーションについて特別には教えてもらっておらず、とっても不器用です。だからこそ、自分を客観的に見つめ、学びながら関係性を育てていくことが大切なのです。

子どもと本音で向き合うことも、園や学校と本音で話すことも、とっても勇気の要ることだと思います。外部機関との付き合いは親子の絆を強めるためのもの。マスコミの情報を鵜呑みにして必要以上に萎縮することなく、本音で前向きに話し合える関係性を築くことを目指してみてください。学校とのコミュニケーションにおいて自分がどんな傾向があるか、客観的に見つめ直してみるのもおすすめです。こちらの記事『もしや予備軍!? モンスターペアレント診断』もぜひ参考にしてみてください。

子どもたちがいい学校生活、園生活を送れるように、私たち大人が人と一緒に育ちあう社会を体現し、後ろ姿を見せていけるといいですね。親子二人三脚で成長していけることを応援しています! モンスターペアレントと呼ばれる人たちが、コミュニケーションによって辛い気持ちを乗り越え、少しでも対立を減らせますように。



【ご意見募集!】
皆さんはモンスターペアレントについてどうお考えですか? 保護者の方、学校の先生、幼稚園・保育園の先生、さまざまな方からのご意見を募集しています。ぜひ皆さんからのご意見をお聞かせください。こちらからどうぞ!

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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