ISOっていったいなに?
ISO。デジタルカメラのスペックの中で、ぱっと見で意味のわからない用語としてトップに挙げられるのではないだろうか。実はこれは、ISO9000やISO14000Sなどで知られている国際標準化機構(International Organization for Standardization) のISOそのものなのだ。
ISOで定められたフィルムの感度のことをISOxxxというような形で表しているのである。ただし、ISOで定められたのはあくまでもフィルムの感度であって、デジタルカメラはそれと同等の感度設定をCCDなどのイメージセンサに置き換えたものだ。最近、こちらの数値もバッテリーライフと同様、CIPAによって標準化されている(PDFファイル)。
さて、用語としてのISOはともかく、実際にISOを変更するとなにが起きるのか。これは撮影した写真を見てもらったほうがわかりやすいだろう。
ISOを変えるとなにが起きるのか?
まず、絞り(F値)を固定したまま、ISOを変更してみた。ISO50/F3.0。シャッター速度 1/10秒
ISO100/F3.0。シャッター速度 1/20秒
ISO200/F3.0。シャッター速度 1/40秒
ISO400/F3.0。シャッター速度 1/80秒
写真自体はほとんど同じように見える。しかし、ISOの数値が上がるごとに「シャッター速度」が速くなっていることがわかってもらえるはずだ。
シャッター速度が速くなると、手ぶれが起きにくくなってくるという利点がある。手ぶれが回避できるようになるというのは、なかなか捨てがたい利点である。
次に絞りもシャッター速度も固定したまま、ISOを変更した画像を見ていただきたい。こちらの画像は絞りもシャッター速度も固定したまま、ISOだけを上げていったものである。
ISO50。F4.2 1/6秒
ISO100。F4.2 1/6秒
ISO200。F4.2 1/6秒
ISO400。F4.2 1/6秒
ISOを上げるごとに画像が明るくなっていく様子がわかってもらえるだろう。暗いシーンであっても、ISOを上げることによって明るく撮影することができるというわけだ。
さて、暗いシーンを明るく撮影できたり、手ぶれを防ぐためにシャッター速度を上げることができるのであれば、ISOを200や400といわず1000でも1万にでもすればいいのではないか。しかし、そううまくはいかないのだ。