男のこだわりグッズ/手帳・ノート

羽根のような紙を使った英国王室御用達手帳(2ページ目)

ロンドンにある老舗の文具店スマイソンが1892年に発明した「羽根のように軽い紙」で作られた手帳は、その軽さと破れにくさ、裏写りしない機能性と抜群の書き心地で、今も世界中の人々に愛用されています。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

書く楽しみ、持ち歩く愉しみを味わうための手帳

スマイソン
「LITTLE BLACK BOOK」(左)11,150円(税込)
「ADRESS AND TELEPHONE」(右)9,450円(税込)

スマイソンのノートの中でも、書く楽しさ、持っている愉しさを味あわせてくれるのが、このポケットノートのシリーズでしょう。柔らかなカーフの表紙に、ボンド・ブルーのFeatherweight Paper。そして、その内容は表紙に書かれている文字によって、様々な用途別のノートになっています。

例えば、上の写真の赤い方は、「ADRESS AND TELEPHONE」つまりアドレス帳ですね。そして黒い方は「LITTLE BLACK BOOK」と書かれています。これも実はアドレス帳です。ブラックリストを洒落たタイトルになっているわけです。このあたりのちょっとした遊び心がイギリス風ですね。ふわっとした手触りの良さと、その見た目からするとかなり軽い、そのコンパクトさが何よりの魅力。鞄の中で邪魔にならないので旅行のお供にも最適です。

「ADRESS AND TELEPHONE」の中

このシリーズは、他にも、旅を記録する「TRAVEL NOTES」、月単位で誕生日を管理する「BIRTHDAY NOTES」、店やホテル、娯楽施設などの覚えておきたい場所を記録する「PLACE TO REMEMBER」、食べ物やワイン、インテリアなどをチェックするための「DOMESTICK GODESS」、ゴルフの記録を書く「GOLF NOTES」、そしてプレーンの「NOTES」など、様々なノートが用意されているのです。かつて、フロイト博士やキャサリン・ヘップバーンさんなども、オリジナルのノートを作ってもらい愛用していたのだそうです。

書き出すと止まらないFeatherweight Paperの気持ちよさ

「PLACE TO REMEMBER」(9,450円)に書いてみた。
左ページを見ると裏写りしないのが分かる

スマイソンの手帳に使われているFeatherweight Paperは、鉛筆か万年筆、そうでなければ油性ボールペンあたりが相性が良いようです。特に万年筆で書くと、滑り過ぎない程度にスムーズで、ほんの少しの引っ掛かりがあるおかげで、走り書きしても文字が流れずに、字の下手なガイド納富でも、ちゃんと読める字が書けます。インクは滲まずにスッと紙に定着して、確かにほとんど裏写りもしません。

1枚づつ透かしが入っているのが、Featherweight Paperの証

地の青い色も目に優しく、ブルーブラックやブルーのインクで書いても、ちゃんと読みやすく書く事ができます。実際に書いていると、ペンの先から伝わる書き味が心地よくて、考えていた以上に書き込んでしまいます。特に中字以上の万年筆や柔らかめの鉛筆を使った時の書き心地は、本当にいつまでも書いていたいと思わせてくれます。同じスマイソンでもレターセットとはまた書き味が違うのが面白いところです。もちろん、このポケットノートのシリーズでも、全てのページには透かしが入っています。また、カバーの色は、写真の黒、赤の他、黒は型押しのタイプのもの(というか、型押しでないのはLITTLE BLACK BOOK」だけです)、緑、ベージュがあります。


ガイド納富の「こだわりチェック」

スマイソンの手帳は、日本では扱っている店が少ないせいか、その世界的な知名度の割に、日本ではあまり知られていないようです。しかし、スマイソンの手帳を見ると、何となく懐かしい感じもするのです。革の表紙に、薄い紙、1cmに満たない薄さなどなど。これは、昔からある会社などで配る手帳のフォーマットに似ているのです。多分、このスマイソンの手帳が、様々な手帳の原形になったのではないかと思うのです。

Featherweight Paperは、確かに凄い紙なのですが、その性質上、端の方から折れ曲がったり、丸まってしまいやすいという欠点もあります。その紙の丸まり具合も、昔の手帳を思わせます。小口に金を塗るというのもスマイソンからの流れかも知れません。そんな手帳の原形は、しかし流石にオリジナルだけあって、とても持ち心地が良いのです。「持っていたい、持ち歩きたい」と思わせるかどうかが、手帳を評価する際の最大のポイントだとガイド納富は思っているのですが、その部分に関してスマイソンの上を行く手帳は、まだ見たことがありません。

どこも突出しない、あくまでもさりげなく、でもその良さだけは伝わってくる、そういう製品を生みだして、そのまま100年以上に渡って、その製品が愛され続けるというのは、イギリスや日本のような、比較的古い国でさえ、あまり例はありません。でも、スマイソンの製品を見ていると、「書く」ということは、ここ百年くらいでは何も変わっていないなと思えてきて、それは悪くないな、と思うのです。

製品問合せ先

今回の記事で取り上げたスマイソン製品のご購入、お問い合わせはイセタンメンズ館へ。
伊勢丹本店メンズ館(新宿)
03-3352-1111(代表)


<関連リンク>
スマイソンの公式サイト(英語)
(日本からのネット通販も可能)


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