男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

内容が一層充実したShetland Fox(3ページ目)

2009年の春に完全復活を遂げたShetland Fox。この秋には新たなシリーズが加わると共に、既存のシリーズにも新作が幾つも登場しています。日本人の足と嗜好を徹底追及した最新版、とくとご覧あれ!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

最もトラディショナルなシリーズは、アッパーで個性的に!

EDINBURGH"
Shetland Fox・EDINBURGH シリーズからは、お待ちかねの内羽根式5穴ストレートチップが登場しました。アッパーは軽く「水シボ」系の型押しが入ったカーフなのですが、遠目にはほとんど気付きません。黒ならばもちろんフォーマルユースにも使用可能です。


以前ご紹介した時には思わず「お願いだからこのシリーズで色々揃えて!」と懇願してしまった、かつてのShetland Foxの遺伝子が一番ダイレクトに残っているEDINBURGHシリーズ。ここからは内羽根式5穴ストレートチップ並びに外羽根式5穴プレーントウと言う、王道中の王道の2モデルがこの秋から加わりました。ただ、モデル自体があまりに直球だからでしょうか、アッパーに用いる革に少し特徴のあるものを採用し、このシリーズに見合った個性を演出しています。

新作に使われているのは、水平方向にのみ極々軽い型押しが施された、フランス・アノネイ社製「カラグレインカーフ」です。この型押しは、靴ではなく鞄に用いられるボックスカーフで暫し見られる「水シボ」に良く似た、非常に繊細なもの。遠目にはそれが入っているのかいないのかはっきりとは解らず、それがまた靴の表情に優美な印象を与えると同時に、過度な緊張感を取り除くのに一役買っているような気がします。また極軽いとはいえ型押しが施されていますので、そのお陰でアッパーに付いた傷が目立ち難くなる点も、質実剛健さが一番残っているこのシリーズのポリシーに見事に合致しています。

デザイン自体は2足とも、Shetland Foxの各シリーズの中では一番大人しいシリーズの、しかも一番シンプルなものであるがゆえ、特段何かを考えなくても時を経るに従い、履き手の個性に素直に染まっていってくれる筈。この種の「奥ゆかしい、だけど底力のある個性」って、表面的かつギミックに目立つことばかりを良しとする現代の男性が、何処かに置き去りにしてしまった最たるものではないかな? このブランドの良心とでも申すべきEDINBURGHシリーズが、地道で全く構わないので今後もラインアップを一歩一歩増やしていってくれることを願ってやみません。次は是非とも外羽根式Vフロントプレーントウと、内羽根式セミブローグを!

【Shetland Fox/EDINBURGHシリーズ・09秋冬新作】
■スタイル : 内羽根式5穴ストレートチップ、外羽根式5穴プレーントウ
■色 : ブラック、ダークブラウン
■アッパー素材 : フランス・アノネイ社製カラグレインカーフ
■底付け製法 : グッドイヤー・ウェルテッド
■ソール素材 : オールレザーソール。オープントラック仕様。
■サイズ : 5 1/2~9 1/2サイズ刻み。
■価格 : いずれも一足\42,000(税込み)

ヒール
EDINBURGH シリーズの新作に用いられている、フランス・アノネイ社製カラグレインカーフは、ご覧の通り水平方向のみの型押しであるのが特徴です。靴にすると質実ながらも優しいニュアンスが出て来ますが、過度に主張はしてこないので、伝統的な印象を持つ靴とは相性抜群です。




最後のページでは、スリッポン系のものをまとめてご紹介しましょう!
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