MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

三菱の軽自動車「アイ」はヒット車になれるのか?

このクルマ、評価が非常に難しいと思う。自動車好きから見れば、もう手放しで褒めてしまいたい。だが、一般的に受け入れられるかは微妙。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

普通の軽自動車と違うパッケージは受け入れられない?

このクルマ、評価が非常に難しいと思う。自動車好きから見れば、もう手放しで褒めてしまいたい。されどライバルメーカーによれば「一度アイみたいなクルマを作ってみたいけれど、いろんな意味でとても難しいです」。

具体的に聞くと、商品企画という観点で見れば「少量生産となってしまうため採算ベースに乗りにくい」。技術系の人は「スペースユーティリティで効率の良いFFを凌ぐのが困難」。確かに軽自動車というジャンル、大量生産によって安価な価格を成立させており(例えばエンジンは数少ない例外を除き、そのメーカーの軽自動車全てが共用。シャシもそう)、年間10万台規模だって厳しい。ホンダはリアミドシップの『Z』を作ったけれど、相当な持ち出しになったそうな。

ハード面のハードルも高い。後方にエンジンを搭載するレイアウトのため、どうしてもリアシートの着座位置を低くできないのだ。結果、全高1600mmと、タワーパーキングに入らない高さになってしまった。それでいて居住空間は同じ車高のFFに届いておらず。

また、前輪の接地荷重が少ないため、ハンドルの”手応え”を出すのに苦労する。前後の荷重配分はポルシェ911やミドシップスポーツカーのような後輪寄り。この配分、安定性を確保しようとすると、堅めのサスペンションじゃないとダメ。試乗してみると、なるほどスポーツモデルのような乗り心地であります。高価で室内広くなく、乗り心地堅め。どう考えても普通の軽自動車と違う。
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