今と昔の子育てのギャップ
子育てには世代間のギャップが生じる場面も |
最近は、乳幼児を育てている女性の中に、実母や義母からの「子育て干渉」にストレスを抱いている方が多いようです。祖母は確かに育児の経験は豊富です。一方、現代の母親は最新の育児情報をキャッチして、それを子育てに活かそうとしています。時代と共に子育ての考え方も変化していますので、どうしても世代間のギャップが生じてしまいます。
ギャップの生じる場面
よく耳にするのが、母乳育児についてのギャップです。最近は栄養や愛情面から母乳育児のよさが見直され、多くの産院でも推奨されています。しかし、昭和40年代は、「母乳より粉ミルクのほうに栄養がある」といわれていた時代。完全母乳を経験している人は2割くらいしかいないともいわれています。母乳を飲んだ後にしばらくして赤ちゃんが泣くと、「母乳が足りないからよ、粉ミルクを足しなさい」と安易に言われることもままあります。母親としては、できるだけ母乳で育てようとがんばっているのに、そういわれると、煩わしさや不安を感じることでしょう。リラックスして徐々に母乳量を増やしていきたいところなのに、これでは出るものも出ないということになってしまいます。また、いまだによく言われるのが「抱き癖がつく」ということ。昔は、赤ちゃんを抱っこしすぎると、抱き癖がつくと言われていましたが、今は赤ちゃんにとって大切な心の栄養であることが分かっています。乳幼児の頃に充分抱っこしてあげることで、段階を経て上手に自立していけるのです。
中には「泣いていてもしばらく放っておくほうが、あまり泣かなくなる」という方もいて、これは大変危険です。自分が訴えても振り向いてくれないとあきらめてしまう「サイレントベビー」になってしまい、幼心に傷を作ってしまいます。
さらに、離乳食の与え方も時代によって考え方が違います。昔は、2ヶ月から果汁などを与え、離乳食も早め、早めに与えていました。その方が早く成長すると思われていたようです。しかし今は、6ヶ月までは母乳で充分、離乳食は食べたがる子どものペースに合わせてゆっくりという考え方です。また、祖母は「離乳食はまず卵から」と教えられた世代ですが、現代はアレルギーなどの問題から、牛乳や卵などは様子を見ながら、という考えが主流です。
もう少し大きくなってからは、祖母が甘やかして困る、という悩みも多いようです。