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産科医療補償制度ができた本当の理由は?(5ページ目)

水曜ドラマ「ギネ 産婦人科の女たち」原作者の岡井崇先生(昭和大学産婦人科学教室教授)に、作品への思いをお聞きしたインタビュー。テーマとなった産科医療補償制度は医療訴訟とつながりが深い制度です。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド


河合 制度の今後の展望について教えてください。

岡井先生 現段階では、脳性麻痺の正確な発生数さえわかっていない状況です。ですから数年経過した時点で正確な統計が取れるようになれば、対象の条件や金額の見直しをしていきます。海外にも同様な制度がありますが、スウェーデンなどはすべて疾患に対して補償が成されていますので、本当はそれが理想でしょう。

今回は運営委員会と民間の保険会社が共同で設立した制度を国が承認、支援したという形になっています。本当は国の制度になれば一番いいのですが、今の形の方がフレキシブルでいろいろな変更が可能です。スウェーデンもこのような形で制度を開始して、完成度が高まってから国の制度となりました。

河合 医療訴訟は確実に減ると思われますか。

岡井先生 訴訟を起こす権利には変わりがないのでなくなることはないでしょう。でも、私たちは「減る」と思っています。私たちの目標は、この制度によって訴訟が少しでも減ること、そして3%でも5%でも脳性麻痺の子どもを減らすことです。

河合 どうもありがとうございました。

【インタビューを終えて】

今、全国で産み場所が減っていますが、産科が敬遠される大きな理由のひとつは「医療訴訟になる率がとても高い」ということです。重症の脳性麻痺は、その訴訟と関わりが深い病気でした。

裁判を起こすことは国民の権利です。でも他の道があることも大切ではないでしょうか。医師も産む人も、共に守られるような産科医療にしていきたいと思いました。

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◆産科医療補償制度とはどういう制度?
もしもの場合に補償が受けられるためには、加盟施設で出産する必要があります。制度を利用するための具体的なことをご案内しています。
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