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むくみ、蛋白尿(3ページ目)

今まで妊娠中毒症は「むくみ、高血圧、蛋白尿」が三大症状とされてきましたが、2005年春から実施される新定義では高血圧だけが重要視されました。では、むくみと蛋白尿は出てもかまわないのでしょうか?

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

本当に用心したいのは、高血圧


今まで妊娠中毒症の症状とされてきた中で、問題としてぜひ注目すべきなのは高血圧です。むくみはそれだけなら妊娠の生理的現象ですし、蛋白尿は、ひどくなっても腎臓病の人が妊娠したのと同程度のリスクに留まります。しかし高血圧がひどくなった場合は、母子ふたりが生命の危険にさらされます。

恐ろしいのは母親の脳出血です。妊娠中毒症が壊してしまう内皮細胞は血管のしなやかさを調節してくれる働きがあり、それが進むと全身の血管を硬くしてしまうのです。昔から子癇として知られてきた妊婦の痙攣も、脳の血管障害が関わっているとわかってきました。

長い間「妊娠中毒症」の特徴として並び称せられてきた3つの症状ですが、重みの違いを感じていただけましたか?では次に、このぜひとも避けたい病気の予防と治療の新しい考え方を見ていきましょう。

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妊娠中毒症に減塩・体重制限は本当に効く?



◆この記事は、名称変更に関わった委員でいらした愛育病院院長・中林正雄先生(産婦人科医)のご指導をもとに構成しました。 愛育病院
<参考資料>『産婦人科治療』(永井書店)2004年5月号「特集・妊娠中毒症とその管理」
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※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。

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