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事件が大教大附属池田小学校の入試を変えた

児童殺傷事件が起きた大阪教育大学附属池田小学校の入学試験が1月の末に行われました。従来までとどこが変わったのでしょうか。学校の現状と附属小学校の特色、使命もご紹介します。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

昨年の年6月8日、大阪教育大学教育学部附属池田小学校で、あってはならない事件が起きました。8名の未来ある尊い命が奪われ、13名の児童ならびに2名の教員が傷を負うという未曾有の大惨事でした。

その附属池田小学校で、1月24日と27日、入学試験が行われました。事件の影響で、入試に関して、従来の方法といくつか異なった点がありました。

・昨年までは親子面接が行われていましたが、今年は子どものみの面接でした。

従来まで面接の際に保護者説明会を設け、附属小学校の特色等を説明していましたが、今回は事前保護者説明会を設けましたので、入学選考の際に保護者に来ていただかなくても良くなったことや、親子よりも子ども重視で選考したいという理由からでした。

・昨年まで、願書は、学校まで出向き、提出していましたが、今年は郵送での提出となりました。

従来まで、願書受付の順番は選考には無関係と聞かされていても、保護者の方は寒い中、並んで受付の順番を待っていらっしゃいました。

しかし、待っていただくのが申し訳ないこと、また、仮校舎なので待っていただく場所を確保できないこと、そして、小学校に通う児童の安全面を考慮し、郵送での提出となりました。願書配布も校内ではなく、校門の警備員によって配布されていました。

・昨年までは無かった、入学選考に関する事前保護者説明会が行われました。

現在、附属池田小学校に関して、さまざまなうわさ等が流れているので、保護者の方々に情報公開をすることによって、直接的情報で判断して欲しいという理由で行われました。

では、その入学選考保護者説明会の内容を保護者説明会の資料に基づき、ご紹介します。

(1)附属池田小学校の特色や使命について

・本校は教員養成課程をもつ大阪教育大学の研究校です。

教育のあるべき姿や改善を目指して教育の実践的研究を行うことを使命としています。そのため、学習の指導要領を踏まえて、教育内容や教育方法に独自の工夫を加えた先導的な実践を行ったり、教官が学校内外で研究、研修活動を行っています。その研究結果を公立の学校、世間へ情報発信することが役目です。

・教育実習生の指導も本校の大きな使命の一つです。

毎年、大阪教育大学の学生の教育実習(9月に4週間、2月に2週間)の指導を行っています。教育実習期間においては、児童と教育実習生とが共に学校生活を過ごし、新たな出会いの場となります。

・学校長の推薦を受け附属池田中学校の入試に合格した者は、附属池田中学校へ連絡進学できます。

本校は上記の使命を持った学校なので、受験を考えた特別なカリキュラムによる授業を行っておりません。卒業後の進学は附属池田中学、公立中学、私立中学の3つに分かれます。附属中学へは学校長の推薦を受けたものが受験することができます。現在、約7割の生徒が附属小学校から附属中学校へ上がっています。

・特別枠児童募集を行っています。

帰国児童、外国籍児童の受入れを行っています。

本校は国際化社会の到来に対応して、附属学校としての使命と任務を更に一段と果たすため、第3学年より帰国児童と外国籍児童を別途、募集しています。この帰国児童・外国籍児童と一般児童による混合学級で、共に国際化社会に対応できる人間となることを目指して研究を進めています。

学校災害特別研究児童の受入れを行っています。

平成13年6月8日に起こりました児童等殺傷事件を契機に学校災害における兄弟姉妹の死亡という喪失体験をもつ児童を受け入れることにしました。大阪教育大学研究チームは学校災害による兄弟姉妹が死亡した児童の発達過程と支援のあり方に関する研究を、附属小学校に於いては、その教育的実践を行うことをねらいとしています。
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