家計貯蓄率トップはイタリア
「日本の貯蓄率は世界トップ」というのは総貯蓄率の話。家計可処分所得に対する貯蓄率(=家計貯蓄率)は「OECD(2007)OECD Factbook 2007」によると、日本は14位で3.2%(2004年)でした。トップ3は、イタリア、フランス、ドイツ。1位のイタリアの家計貯蓄率は11.6%でなんと日本の3.5倍以上なのです。「家計貯蓄率の国際比較」(平成19年「暮らしと金融なんでもデータ」)によると、日本の家計貯蓄率は1995年は11.9%でしたが、年々低下し2000年8.7%、2002年5.0%、2005年には3.0%と10年間で約1/3に低下してしまいました。それに対し、フランスやドイツは10年間ほぼ同じ貯蓄率を維持しています。
<家計貯蓄率の国際比較> |
平成19年「暮らしと金融なんでもデータ」を基に作成した。 |
家計の資産構成 日本は現金・預貯金が50%
2007年3月時点の日米の家計の資産構成を比較すると、日本は安全性の高い「現金・預貯金」が約50%を占め、債券や投資信託、株式等いわゆる収益性の高い金融商品は20%程度にしか過ぎませんが、米国は、債券や投資信託、株式等が約52%、現金・預貯金は12.9%と日本と全く逆の資産構成になっています。<家計の資産構成の日米比較> |
今週の指標No.814(担当:参事官(経済財政分析ー総括担当)付 野尻孝之)を参考に作成した。 |
「OECD Factbook 2007」で家計貯蓄率トップ3に輝いたイタリア、フランス、ドイツの金融資産構成は、「現金・預金」が30%前後、それに対し債券、投資信託、株式・出資金は、イタリア58%、フランス40%、ドイツ37%です。分散投資で「しっかり貯めしっかり運用する」という姿が浮かび上がります。一方家計貯蓄率19位のイギリスは、債券、投資信託、株式・出資金は19%と日本と同程度ですが、保険・年金準備金で54%運用し、現金・預金では23%を運用している点が日本とは異なります。
<家計の金融資産構成の比較> |
平成19年「暮らしと金融なんでもデータ」を基に作成した。 |
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