国民生活センターは2007年4月5日、携帯電話のパケット料金に関するトラブルの事例を公表した。国民生活センターと消費生活センターを結ぶ「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)」に寄せられた携帯電話サービスに関する相談内容の中で、パケット通信に関するものが増えているという。
「パケット料金にご注意!予想以上に高額になることも
-携帯電話のパケット通信関連相談をめぐるトラブル-」(国民生活センター発表資料)
PIO-NETに寄せられたパケット通信に関する相談件数は2002年には139件(同年の携帯電話サービスに関する相談件数全3876件のうち約3.6%)だったが、2003年には607件(4569件のうち約13.3%)に急増。その後15~16%前後で推移している。
「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)」に寄せられたパケット通信関連の相談件数と携帯電話サービス全体に占める割合の推移(国民生活センター「パケット料金にご注意!予想以上に高額になることも -携帯電話のパケット通信関連相談をめぐるトラブル-」より引用) |
驚くべきは、パケット通信関連相談における請求金額の平均額だ。2002年から2004年まで8万円台で推移しているが、2005年には12万8135円、2006年には15万5216円とこちらも急増している。
「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)」に寄せられたパケット通信関連の相談における平均請求金額の推移(国民生活センター「パケット料金にご注意!予想以上に高額になることも -携帯電話のパケット通信関連相談をめぐるトラブル-」より引用) |
なぜ、高額の請求が来るの……?
国民生活センターの資料によると、トラブル事例の原因は大きく2つに分けられる。1つはパケット定額制を契約していなかったために生じたもの。もう1つは「パケット定額制を契約していたのに生じたものだ。
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▲国民生活センター「パケット料金にご注意!予想以上に高額になることも -携帯電話のパケット通信関連相談をめぐるトラブル-」より引用 |
最初の事例は、楽曲をダウンロード配信する「着うたフル」を利用できる音楽プレーヤー搭載端末を利用した際に生じたトラブルだ。1月分の電話代4万910円のうち、パケット通信料が3万2000円。その内訳は、何と5曲分の「着うたフル」をダウンロードしただけというもの。相談者の40歳代の女性は「1曲350円で買うとだけ聞いていた」というが、実際には1曲350円の「情報提供料」のほか、パケット通信料として1曲あたり6000~8000円の料金がかかってしまうという。
NTTドコモが提供する「パケット通信料金(概算)」というページでは、着うたフルのダウンロードをする場合、2Mバイトの曲で約3600円、3MBで約5400円、5MBで約8900円と紹介されている(FOMA契約者で、パケットパックなしの場合)。2MB程度といえば、着うたフルの中でサイズがかなり小さい方だが、それでもパケット定額制を利用しなければ「1曲だけでCDアルバムより高額になってしまう」というとんでもない矛盾が生じる。着うたフルを利用する人は、パケット定額制に必ず入っておこう。
>>NEXT 「情報量無料」でもパケット通信料は必ずかかる!