仕事などで外出する際、モバイラーにとってどうしても気になってしまうのがネットワーク環境だろう。PHS通信カードなどを利用してインターネット接続するのもいいが、やはり公衆無線LANサービス、いわゆる無線スポットには速度面でかなわない。
筆者の場合、普段はウィルコムの「W-ZERO3 [es]」単体でメールの確認を行い、ノートパソコンでネットにつなぐ必要がある場合にはUSB接続のデータ機器「“DD”」を利用して接続している。メールでの連絡は電話機単体でできるのでいいが、問題はExcelやPowerPointなどのファイルや画像を加工して添付し、送らなければいけない場合などだ。数メガバイトという大きさになることもあるため、PHSだとかなり待たされてしまう。
それならホットスポットサービスを使えばいいのだが、そうしたサービスを毎月の料金を支払って利用するほど困っているわけでもない。また、各サービス事業者ごとに使える場所やお店が異なるため、それを調べるのも面倒……そんな人も多いのではないだろうか?
初期費用1980円だけで、無線スポットが使い放題!
そこで紹介したいのが「WiFiコミュニティー“FON(フォン)”」。FONとは、無線LANネットワークを世界中で互いに共有しようという発想から生まれたコミュニティーだ。
「コミュニティー」というとちょっと引く人もいるかもしれないが、仕組みは至って簡単。ブロードバンドネットワーク環境を無線LANアクセスポイント(AP)を通じて他人に貸し、その代わりほかの人のAPも借りてしまおうというものだ。
ブロードバンドネットワーク環境を用意し、「La Fonera(ラ・フォネラ)」と呼ばれるFON対応無線APを1980円で購入して設定する。それだけで、世界中にあるFONのAP(FONサイト)をタダで使えるようになる。FONサイトはFONのオフィシャルWebサイトで検索できるので、日本国内でどれだけ使えるのか気になる人は調べてみるといいだろう。
九十九電機などで1980円で販売している「La Fonera」。IEEE802.11b/g対応の無線LANアクセスポイントだ | 左からACアダプター端子、LAN端子、アンテナ端子というシンプルな構成だ |
FONに参加する(無線LANサービスを利用する)ためには、「La Fonera」を設置して自宅のFONサイトを無料開放し、ほかのFONサイトも無料で利用できる「Linus(ライナス)」になる必要がある。ほかにもFONサイトを有料で開放して他人のFONサイトも有料で利用する「Bill(ビル)」や、FONサイトを設置せずに有料で他人のFONサイトを利用する「Aliens(エイリアン)」というのもあるが、現在日本ではLinus以外のサービスは開始していない。
モバイラーにとっては出先でFONサイトを使えてこそ有用なサービスとも言えるが、IEEE802.11b/g対応の無線LANアクセスポイントを1980円で購入できるというだけでもお得感はある。「そろそろ自宅にも無線LANを入れようかな……」なんて思っている人には特にオススメかもしれない。
■関連情報
・FONのオフィシャルサイト
http://www.fon.com/jp
・九十九電機の「FON」情報ページ
http://www.tsukumo.co.jp/fon/