自分のクレジットカード「スキミング」被害に遭うなんて? カードの個人情報をそっくり盗まれてしまう「スキミング」はカード保有者にはいつでも起こりうる被害です。

ある男性のケース


情報関連会社のシステムエンジニア(SE)をしている男性S木さん(27歳)は、クレジットカードの会社から勤務先に突然かかってきた電話にびっくりしました。

「今日、大阪で20万相当の買い物をしましたか?」

と言われたのです。
電話はS木さんの勤務先である東京の会社あてにかかってきています。

「いや、そんな買い物はしていません。なにより、今、僕はこうやって電話に応答しているということは東京にいるってことなんで、ありえない話です」
と答えました。

「そうですよねぇ」と、相槌を打ちながら、電話の相手は大阪で20万円相当の売り上げが上がっており、不審に思ったカード会社が本人チェックを入れてきたということを伝えました。そして、本人が東京にいて、大阪では買い物などしていないことが判明したので、本人によるカード使用ではないことが明らかになり、S木さんには実害はありませんでした。

まったく同じ偽造カードが使われた、すなわち「スキミング」の被害に遭ったことがわかり、S木さんのカードはその場で無効になり、S木さんには番号の違う新しいカードが届けられました。損害もなく、すみやかに新しいカードも手にすることができて、ホッとしたS木さんでしたが、「いったい、いつ、どこで、いつの間に」スキミングされたのか、まったくわからず不安になりました。

カードは二つ折りの革の財布に入れてあります。ズボンの後ろポケットに入れることもありますが、かさばって邪魔なときがあるので、携帯電話やタバコなどと一緒に机やテーブルの上に置いてあることも多いのです。会社の机の上ならば、同僚がそんなことするとも思えず心配はいらないのですが、ならば彼はどこでスキミングされたのでしょうか?

「あの場所だ」と思い出せるような場所はありません。風俗関係のお店では、男性が衣服を脱いで持ち物が自分の手を離れるという状況から、被害が多く起こっています。しかし、その手の店には無縁のS木さんなのです。ではいったいどこで?

被害はどこで?


実はS木さんは、飲み屋に行ったときにも、勤務先でするのと同じように、カウンターやテーブルの上に携帯電話・財布・タバコの三点セットを置くのが習慣になっていました。トイレに行くときもそのままにしていたのです。

となると、もしかしたらトイレに行ったスキに誰かが…と思いめぐらしましたがわかるわけもありません。最近行ったお店が何軒かありましたが、どの店でというのはまったく見当もつかないのです。

また、音楽好きなS木さんはよくライブハウスに行くことがあります。ロッカーのない所では、私物のどっさり入ったリュックサックをそのへんに皆と一緒にまとめて置いていたり、足元に置いたままだったりします。リュックの中では、財布は取り出しやすいように入れてあったかもしれません。

いずれにしても「いつ、どこで」ということがまったくわからないままの、S木さんのスキミング被害体験でした。その後、財布の取り扱いに気をつけるようになったでしょうか? 

二度と被害に遭わないために気をつけるのは自分にしかできません。他人が手を伸ばすことが可能な状態にしないこと。カードの保管と使用には要注意です。


さて、請求書に思わぬ内容があったからといって、すべてが「スキミング被害」として処理されるわけではありません。こんなケースもありえるのです。次ページへ→