実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、福岡県在住68歳男性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール
回答者本人:68歳男性同居家族構成:本人、妻(66歳)
居住地:福岡県
リタイア前の雇用形態:正社員
リタイア前の年収:1000万円
現在の資産:預貯金7000万円、リスク資産3000万円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:厚生年金28年
現在の収支(月額)
老齢基礎年金(国民年金):5万円老齢厚生年金(厚生年金):10万円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし
年金以外の収入:なし
配偶者の年金や収入:年金78万円(年額)
ひと月の支出:約20万円
「割増退職金での株投資が功を奏している」
現在、現預金で7000万円、リスク資産で3000万円を所有しているという今回の投稿者。自身の老後資金について貯めすぎと感じているか、それとも足りないと感じているか、との質問にはどちらでもなく「ちょうどいいと感じている」といいます。
というのも、現役時代から老後資金に1億円を貯めることを目標にしてきたからだそうで、「51歳で早期退職制度を利用し割増退職金を受給、当面の余裕資金を株投資で資産運用強化。リーマンショックで損失を被るがその後は比較的順調にキャピタルゲイン(売却益)を得ている」と豊富な退職金を元手に、効率的な資産形成に成功したと説明します。
「ゆとりある老後資金に1億円は妥当」
1億円という目標金額について、「退職時に老後の毎月の経費を20万円から50万円までの5万円単位で、余命を66歳から90歳までに設定し、いくら必要かを試算した。その結果、月50万円で90歳(まで暮らすこと)を想定し、約1億円を目標とした」と当時から綿密にマネープランを立てていた様子です。いざ年金生活に突入してからも老後資金「1億円」はやはり妥当だったと感じているそう。
「リスク資産が全体の30%を占めているのでこの分が将来において確実に確保できるかは不透明」という懸念はあるものの、「資産運用が日々の原動力になると言う点では今のままで試行錯誤しながらも」投資を継続する予定だと語られています。
「若いうちから投資に関心をもつべき」
今の生活については「満足している」と投稿者。「早期退職のため厚生年金28年加入でよくある平均的な年金額より少なめですが、その分貯蓄とリスク資産運用でカバーできている認識です」と、金銭的にゆとりをもって年金生活を過ごせている様子です。
最後に、これから老後を迎える現役世代へ向けて「欧米に比べて日本人は投資に関して教育を受けていないこともあり、関心が薄いのが現状です。無理や無茶は駄目ですが、少額の余裕資金で恐る恐るでも資産運用をしておくべきと感じます」とアドバイスを残されていました。
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