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24歳で重度うつ病「病気にかからなければ、退職したくなかった」25歳女性が直面した治療のお金と仕事のリアル

健康なうちから知っておきたい大きな病気や怪我に関するお金の話。治療にいくらかかり、どう支払っていったのか。All Aboutが実施しているアンケート調査から、さまざまな病気や怪我にまつわるお金の実例を見ていきます。今回は埼玉県在住25歳女性のケースを紹介します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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大きな病気や怪我は誰にでも起こりうるものですが、いざ当事者にならないと治療の大変さは分からないもの。そこにかかるお金の話も同様です。ここではAll Aboutが実施しているアンケート調査から、さまざまな病気や怪我について、実際にかかったお金のリアルな実例を見ていきます。今回は埼玉県在住25歳女性のケースを紹介します。

回答者プロフィール

女性
回答者本人:25歳女性
同居家族構成:本人、祖父(80歳)
居住地:埼玉県
職業:無職
年収:20万円程度(フリマアプリで得た収入、業務委託の報酬など)
現在の貯蓄額:預貯金160万円、リスク資産なし

当時の状況

病気や怪我の種類:重度うつ病、重度双極性障害、身体化障害
当時の年齢:24歳
当時の職業、年収:言語聴覚士、年収300万円程度
当時の金融資産:不明

「1年8カ月経った現在も治療中。負担は約50万円に」

「24歳の時、重度うつ病、重度双極性障害、身体化障害と診断されました」と教えてくれた投稿者の女性。

「ストレスが加わると頭が真っ白になり回転しなくなって身体が痙攣し始めます。社会的な手続きはもちろんのこと、ストレスの対象である相手とのコミュニケーションは不可能です。日常生活では起床や清潔(身の回りの衛生管理)は日によってできるものの、うつ症状が強いとベッド上に鎖で締め付けられたような感覚が1週間程度続き、なにも出来ません。話しかけられても答えることすらできません。声が出ないし口も動かないのです」と深刻な状況を語ります。

入院や治療にかかった期間は「1年8カ月で現在も治療中」とのこと。かかった費用は「診断書や定期的に救急車で運ばれる救急医療費などを含めて50万円程度」がのしかかったと言います。

「収入が減り、毎月カツカツな状態で生活」

「救急車に1回運ばれるだけで軽く1万円超えてくるのはかなり経済的な負担でした。ただでさえ、欠勤が多いのに1万円払うのは痛手」だったと振り返る投稿者女性。

健康保険制度により「休職した際に傷病手当金を60万円程度」受け取ることができたものの、「その中から社会保険料を19万円引かれ、また、寮に住んでいたので自宅療養だったのに寮費が月4万円引かれていきました」。

経済的な不安から自ら「負担を減らせる方法はないか調べて、自立支援医療費制度を知り、市役所に届け出を出して現在は精神医療に関する通院費、薬物治療費が1割負担」になっているそう。ただその支援も十分とはいえない様子です。

当然ながら仕事への影響も大きく、「まず、通院日は欠勤します。よって、収入が減ります。休職して、前年度の出勤率が悪かったので有給は出ませんでした」と、当時の状況を説明。

さらに「毎月がカツカツな状態で生活していました。欠勤したくない思いと欠勤すべきなのか判断できない自分がいました。仕事中によく倒れるようになり、給料は月10万円いくかいかないか程度になり、周りのスタッフや患者さんにも迷惑をかけてしまいました」と吐露。

「働きたいのに働けない、体が動いてくれないことが一番悔しいし苦しかったです。本来であればこの病気にかからなければ、退職したくなかったです」と苦しい胸の内を語ります。

「自分の体や心に耳を傾け『自己中心的』に生きる」

退職後は寮を出て、祖父の家で暮らすことになった投稿者。「仕事のストレスからは解放されましたが祖父との共同生活もストレスフルです。でも、体調の良い日はなるべく外に出るようにしてみたり、体調の悪い日は『こんな時もある』と思考を変えることができるようになりました。退職時は歩くことすらできなかったですが今は5000歩歩く日もあります」と明るい兆しも見えてきた様子です。

ただ、無職になった現在の収入は「月に1万円メルカリで物が売れるか売れないか程度とクラウド(ソーシングの仕事)で1万円稼げるか稼げないかが限界」とのこと。

「その私の計2万円の収入と2年半でためた貯金と祖父の年金だけで生活しています。これからどんどん落ちぶれて生活が崩壊していくんだなと思います」と、経済的にはまだ先が見えない状況です。

病気を経験して、「自分の体や心に耳を傾けることが重要」と実感したという投稿者。「『無理をしない』『気にしない』ってよく言われますが、この病気の人にはそれが一番難しい」とした上で、「自分が思うわがままって他人が思うほどわがままではないことがわかり、生活の中で少し悪い言い方をすると『嫌なことから逃げる』『自己中心的』な生活をするようにしています」と現在の思いを語られていました。

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