推し活を楽しむためのアイデアが詰まった細部
また、推し活の現場では床や地面に直接バッグを置くシチュエーションが多いため、底部分に汚れを拭き取りやすいコーティング素材を使うなど、現場での扱いやすさを考慮した仕様になっています。「推し活もいろいろありますが、今回はアニメやマンガのオタクの聖地巡礼や買い物、さらに、アイドルなどのライブや遠征といった用途に絞って作りました」と白石さん。
バッグである以上、モノを入れて持ち運ぶことがメインになるのはビジネスも推し活も同じなのですが、そこはオタクが考えたバッグなので、移動中も楽しめるように、細かいところにも凝っています。
例えば、3種類ともバッグを開いたところに中が見えるビニールのポケットが付いているのですが、実はバッグを開いたときに、ポケットが自分の方を向くように作られています。そうやって、中に入れた写真やアイテムを自分だけが見てニヤニヤするためのポケットなのです。
「前の人には見えないけど、自分には見えるというポケットなんです。このビニールの厚みにもこだわっていて、あまり薄いと傷が付きやすいですし、缶バッジなどの立体物も入れるから、厚過ぎても使いにくい。モノを入れたり出したりして、素材も吟味しました。あまり、こういう部分の素材に凝るバッグというのはないんですけど、この製品の場合、そのようなところに作る楽しみがありましたね」と矢部さん。 他にも白石さんこだわりの、バッグのサイド部分にある、バッテリーなどの充電ケーブルを出すための穴も注目ポイントです。
「昔、イヤフォンのケーブルを出すためのものとして、ビジネスバッグにもこういう穴が開いていた時期がありましたよね。いつの間にかなくなったアレを、今回、復活させました。ただ、イヤフォンではなくて、充電ケーブルですね。バッテリーはバッグの中に入れて、ケーブルを外に出してスマホにつなぎます。GPSを使ったゲームなどをやっていると、あっという間にバッテリーがなくなりますから。歩きながら充電できることは大事なんです。それに、なんかガジェット感があっていいじゃないですか」と白石さん。
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