ライブの現場で便利なワンボックス構造とペンライトホルダー
これらはコレクター系のオタクである白石さんの領分ですが、現場系のオタクである矢部さんの領分でも、このバッグは細かく工夫されています。「どのバッグも、細かく部屋を分けたりせずに、基本ワンボックスで上からポンポン入れられるようにしています。現場で着替える人も多いし、ライブ中にもモノの出し入れは頻繁だったりしますから、こういう構造の方が使いやすいんです」と話す、矢部さんならではのポイントが、かぶせショルダーのペンライトの収納部分です。
「ここのゴムベルトにペンライトを差し込むようになっているのですが、まず、5本のペンライトを差し込めるようにしました。女性の場合は、両手に1本づつ、もしくは片手にうちわ、片手にペンライトというのが一般的なので、ジュエルナローズのときは2本入るように作りましたが、男性は何本も持たれる方が多いようなので、銃のホルスターみたいな感じで、一度に取り出せたらいいなと考えたんです。それをデザイナーに伝えて出来たのがこの、少し間隔を空けて横並びに用意されたゴムベルトです」と言いながら、矢部さんは、片手に3本、もう一方に2本のペンライトを指の間に挟んで一気に抜いてみせてくれました。
ゴムバンド製なので、100均などで売っている細いタイプも、最近の音声なども出る多機能のタイプにも対応します。また、充電ケーブルなどもここに挟むことができるなど、汎用性を持たせてあるのがうまいですね。
「最初はポケットにしようと思ったんですが、そうすると他の用途に使いにくいと思って、ゴムベルトにしてもらいました」と矢部さん。 そんな風にワンボックスにしつつ、本来はPC用のポケットにあたる部分も一味違う構造になっています。マチが大きめに作られていて、タブレット用スリーブも付いているので、ビジネス時にはノートPCとタブレットを分けて入れたり、推し活時には硬質ケースとタブレットを入れたりと、用途に応じて使い分けることができます。
「メッシュポケットや、ペンライト用のゴムバンドも、このポケットに付いている構造で、ここをうまく使ってもらえれば、結構仕分けもできるんです。これがとても便利なので、『ベンリナポケット』と名付けました。『四次元ポケット』みたいなイントネーションで呼んでもらえればと思います」と矢部さん。
>次ページ:推しを見てニヤニヤできる“とっておきのポケット”