ここではAll Aboutが9月から募集している「親の金銭感覚に不安を覚えたエピソード」から、親のお金に対するさまざまな悩みを紹介。
親との向き合い方に悩まれている方にとって、何らかの参考になれば幸いです。
69歳男性の親の金銭感覚が不安な理由
今回は広島県に住む69歳男性の親の金銭感覚に不安を覚えたエピソードを見ていきます。■投稿者本人の金融資産
世帯年収:本人300万円、配偶者300万円
世帯金融資産:現預金2500万円、リスク資産7000万円
■両親との同居状況
別居(他界)
■ご両親の性格
父親:「少年時代に戦争で財産を全て失った父は現金しか信用しませんでした。できて定期預金」
母親:記載なし
■親との会話
親と相続の話:したことはない
親と介護の話:したがらない
親の年収や年金受給額:教えてくれない
親の資産額:教えてくれない
数年前に他界された両親とのお金のエピソードを語ってくれた今回の投稿者。
「92歳で亡くなった父は現金を2600万円残していました。普通預金に入れていたので全額に相続税がかかりました。できるだけ通帳の額を減らすべく、息子としても協力してきたのですが……保険として私たち子どもに残せば、相続税の節税になると言う話をしても全く話し合いにはならず、現金が通帳にあることで満足していました」と始まります。
結局「亡くなった後、家と土地と現金をあわせて120万円の相続税を払いました」とのこと。
「親に相続税の知識があれば、もう少し何とかできただろうなと思いますが、話し合いをしようとしても知らんぷりや拒否をされてしまい、より良い相続の仕方について合意をすることができませんでした」「現金は郵便局に置いておけば必ず増える時代に壮年期でしたから『財産は投資などしなくても貯金で守れるものであり一番の財産は土地』という考えをアップデートすることは無理でした」と後悔をにじませます。
また両親の生前の年金暮らしについて、「公務員だった父と母でしたので生活には困らないほどの年金は出ていました。父母の年金は夫婦二人で月45万円くらい。退職金も今から40年も前でしたから3000万×2人分はあり、片方を使い切ってもその後の生活は困ることなくきたでしょう」と説明。
それでも「私たち夫婦も二人とも公務員でしたので、ボーナスが出るたびにその2割くらいは親に渡していました。娘である妹夫婦も公務員でしたが親に現金をなどということはなかったようです。しかし、ある時、妹から10万円もらったと母が泣いて喜んでいたのです。え? それは何のだ? 私たちは年2回何十万も渡しているのに、と唖然としました」とあります。
69歳男性が両親の状況を見て学んだこととは?
「兄妹で親の接し方は違い、娘はやはりかわいいでしょうから、仕方がないと思いました」という投稿者。「その代わりと言うか、私たちは最後まで同居しませんでした。同居しないことで妻を守りました。妻と我が娘では娘がかわいいに決まっています」と続けてコメントします。
また、「親の時代ほど多くの退職金はもらえない時代に入ることは30年以上前から予想できていましたので、個人年金保険を35歳から積み立て、退職金は運用できる保険にいれて、退職から10年経った今ほぼ2倍になって返ってきました」とご自身はしっかりと備えをしてきたとのこと。
なお親の状況から学んだことに関しては、「親の姿からはお金のことはほとんど学ぶ点はなかったのですが、親の生活から、自分達はあんなに歳を重ねる前に、施設に入って親族に迷惑をかけないようにしようと思っています。また遺言をお互いに書いて子どものいない私たちの財産が自分の妹や妻の弟に行かないように備えました」と回答。
「若い頃から備えてきましたので、いまは心配なことはありません。むしろ、せっかく蓄えたものを上手に使い切るにはどうしようかと考えます」と最後に残されていました。
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