名前は聞いたことがあるし興味はあるが、量販店などに陳列されていないので手を出しかねている、という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、HHKBの選び方を紹介します。
<目次>
・最新HHKBは3グレード16モデルがラインナップしている
・有線接続で利用、キーマップを変更しないなら「Classic」
・ワイヤレス接続に対応、キーレイアウトをカスタマイズするなら「HYBRID」
・HYBRIDの静音タイプ、84%の人が購入するフラッグシップモデル「Type-S」
・自分のニーズを見極め、決め打ちで選ぼう
・HHKBの販売実績で84%の人が購入するのは「Type-S」
・全国のタッチ&トライスポットで実機を触ってみよう
最新HHKBは3グレード16モデルがラインナップしている
HHKBはまず、機能の異なる3グレードが用意されています。USB Type-C接続の有線タイプが「Happy Hacking Keyboard Professional Classic」(以下、Classic)。HHKBのコンパクトボディに伝統のキー配列を備えるモデルとなっています。・有線接続で利用、キーマップを変更しないなら「Classic」 HHKBの滑らかな打ち心地を試したい、有線で接続して利用する、キーマップを変更する必要がない、というのであれば「Classic」が選択肢に入ります。価格も2万5300円(税込)とHHKBで最も安いのもポイントです。
キー配列ですが、英語配列と無刻印の2種類しかありません。そもそもHHKBは東京大学名誉教授 和田英一先が考案した「Alephキーボード」が元になっています。UNIXプロフェッショナルが必要とする最低限のキーだけを凝縮した配列になっており、当然のように英語キーボードだったのです。
また、HHKBには無刻印というチャレンジャブルなモデルもあります。その名の通り、キートップに何も書かれていないのです。無刻印だからといって安くなるわけではなく、機能の追加もありません。ただ、ひたすら格好いい、という自己満足です。会社で使うなら、他の人にどや顔することもできるでしょう。 カラーは墨と白の2色で合計4モデル。黒でないのは、文字のプリントが原因です。HHKBのキートップにはサブリメーション(昇華)方式で文字がプリントされているのですが、これは黒色に決まっています。そのため、キーも黒くすると何も見えず、無刻印と同じです。そこで、ぎりぎり黒の印字が見えるくらい微妙にグレーがかった色にしたため、墨色と名付けられました。
当然、墨色は文字が見にくいです。ブラインドタッチが完ぺきでないなら、できれば白モデルの方がストレスなく使い始められるでしょう。
・ワイヤレス接続に対応、キーレイアウトをカスタマイズするなら「HYBRID」 ミッドレンジモデルが「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID」(以下HYBRID)です。USB Type-C接続に加え、Bluetoothによるワイヤレス接続もできるため、ハイブリッドという名を冠しました。以前のモデルもUSB端子を備えていたのですが、給電のみが可能でUSB接続ではありませんでした。今回はきちんとUSB接続となります。
また、「HYBRID」シリーズでは「Happy Hacking Keyboardキーマップ変更ツール」が利用できます。HHKBのサイト(https://happyhackingkb.com/jp/download/)で公開されています。
どうしてもHHKBの一部のキーレイアウトを変更したい、といったときに自由にカスタマイズできます。OS上で変えているのではなく、キーボードの設定そのものを変更するので、HHKBを別のPCにつないでもカスタマイズした配列で入力できます。 ちなみに、「Happy Hacking Keyboardキーマップ変更ツール」はファームウェアのアップデートにも利用します。「Classic」でもファームウェアアップデート時にはこのアプリを使いますが、キー配列の変更はできません。
ワイヤレス接続は便利です。PCだけでなく、スマホやタブレットにも入力できます。Bluetoothではあらかじめ4台までのデバイスを登録し、ワンタッチで切り替えて利用できます。
とても便利ですが、Mac OSで「FileVault」をオンにしてBluetooth接続をする場合、仕様のため起動時のログインパスワードが入力できません。Mac本体のキーボードを使うか、USB接続して入力しましょう。
配列は英語配列と無刻印に加えて、日本語配列も選べます。なんとカーソルキーが用意されており、全部で69キーとなります。筆者もメインで使っているHHKBはすべて日本語配列です。それぞれに墨色と白色モデルが用意されているので、6モデルがラインナップ。価格は税込で3万250円です。
・HYBRIDの静音タイプ、84%の人が購入するフラッグシップモデル「Type-S」 フラッグシップモデルとなるのが「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」(以下Type-S)です。「Type-S」の「S」はSpeed(高速タイピング性)とSilent(静粛性)の頭文字で、簡単にいえば「HYBRID」の静音タイプです。キーを押したときのカチャカチャというタイプ音がスコスコと静かになっています。
こちらも英語配列、無刻印、日本語配列とそれぞれ墨色と白色の6モデルがラインナップしており、価格は3万5200円です。
ちなみにカラー比率では墨が62%、白が38%です。刻印が見えづらい墨色ですが、その分格好いいので人気があります。配列は、2020年では英語配列45%、日本語配列43%でしたが、2021年は英語配列44%、日本語配列47%と逆転しました。無刻印の割合が12%から9%に落ちているので、あまりマニアックではないユーザーが多くHHKBを買っていることが分かります。
自分のニーズを見極め、決め打ちで選ぼう
HHKBは静電容量無接点式を採用しており、キーボードを底打ちしなくても入力できます。そのおかげで故障しにくく、耐久性は1キー当たり3000万回です。普通のキーボードはよく入力するキーがどこかで効かなくなったり、チャタリングを起こしたりしますが、HHKBはそんなことはほとんどありません。筆者は2011年から「HHKB Professional JP」という古い有線タイプのHHKBを使っており、1億タイピング以上叩いていますが、一切調子の悪いキーなどありません。一番入力する「A」キーは800万回以上打っていますが、文字のかすれもありません。 そのため、とりあえずエントリーとして「Classic」を買いましょう、とは勧められないのです。HHKBを買ってしまうと壊れないので買い換える機会がなかなかないのです。
できる限り、自分のニーズを見極め、決め打ちで選ぶことをオススメします。そうすると、ワイヤレス接続とキーマップ変更ツールが使える「HYBRID」シリーズとなるでしょう。「Type-S」の静音性が必要かどうかは、利用環境を考えるといいでしょう。自宅でテレワークするために買うのであれば、「HYBRID」でも問題ありません。筆者はタイプ音は小さい方が好きなので「Type-S」が好みです。
HHKBの販売実績で84%の人が購入するのは「Type-S」
ちなみに、HHKBの2021年販売実績では84%の人が「Type-S」を購入しています。「HYBRID」が12%、「Classic」が4%です。皆さんよく理解して選ばれているのが分かります。全国のタッチ&トライスポットで実機を触ってみよう
とはいえ3万円のキーボードを記事だけ見て購入するのは怖い、と思う方もいるでしょう。基本は直販なのですが、全国にあるタッチ&トライスポットで実機を触ることができます。オリジナルブランドの雑貨を扱っている「SUPER CLASSIC」4店舗やセレクトショップの「アシストオン」、自作キーボード専門店「遊舎工房」などにHHKBが置いてあります。 筆者が経営している「原価BAR」もHHKBのタッチ&トライスポットになっており、お酒を飲みながら全ラインナップを触ることができます。すべて本物ですので、起動してご自分の端末と繋げてタイピングしていただいてOKです。
プログラマやブロガー、ライター、小説家など、とにかくたくさんキーボードを打つすべての人にHHKBはオススメです。
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