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美術館のクオリティを家庭用照明で! 「SALIOT pico」は太陽の下で見る色を再現するテーブルライトの新しい形

美術館やホテルの照明を手掛けるミネベアミツミ初の家庭用照明「SALIOT pico(サリオ ピコ)」は、そのプロの現場で要求される高品質な光や操作性をそのまま家庭に持ち込めるテーブルライトです。スマホアプリできめ細かく調整できる操作性も、スポットライト型の光源を自在に設置できる本体デザインも見事な製品なのです。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

美術館やホテルの照明を手掛けるミネベアミツミは3月16日、同社初の家庭用照明「SALIOT pico(サリオ ピコ)」をオンラインショップで発売しました。その特徴や使用感を、長年デザイン家電や照明機器のレビューを書いてきたライターの納富廉邦がお伝えします。
 

テーブルライトはデザインと技術の融合で作られる

saliot pico01

ミネベアミツミ「SALIOT pico」スタンドタイプ。価格は送料、税込で2万円(1W、1灯)~3万9800円(3W、3灯)※別途、壁付けタイプもあり。購入はミネベアミツミ・オンラインショップ(https://shop.minebeamitsumi.com)またはAmazonで

照明機器、特にデスクライトやテーブルライトは、デザインと機能と最新技術を融合した製品作りを、かなり早い時期から意識して行われてきた分野です。そのひとつの成果が、70年代のデザイナーによる機能的かつ美しくデザインされた一連の製品。今も販売されていて人気も高いアルテミデの「TIZIO(ティチオ)」や「TOLOMEO(トロメオ)」は、その代表格でしょう。

さらに遡れば、30年代に生まれたヴィトラの「Lampe de Bureau(ランプ・ド・ビューロ)」やルイス・ポールセンの「A」などもあり、それらは、今でも電球部分をLEDに変えるなどして、愛用されています。

その後も、バルミューダの「Airline(エアライン)」や、スワンの「LEDICEXARMMONO(レディックエグザームモノ)」、新しいところではストーリオの「TANZAKU Lamp(タンザクランプ)」など、名作が次々と生まれています。また最近では、スマートフォンなどと連携して、照度などを変えられる機種も当たり前になってきました。

ミネベアミツミの「SALIOT pico」も、そうしたデスクライト、テーブルライトの歴史の中でエポックメイキングな名品の一つとして残る製品ではないかと、筆者は思うのです。
 

太陽の光の下で見るような鮮やかな色を

質の高い光で、白いものは白く、赤いものは赤く見える。スポットライトは3灯まで好きな位置に付けられて、上下に動かせる

質の高い光で、白いものは白く、赤いものは赤く見える。スポットライトは3灯まで好きな位置に付けられて、上下に動かせる

「SALIOT pico」の最大の特長は、その光の質です。太陽の光の下で見る色を100として、その光の色再現性(演色性といいます)を示す指標「Ra値」がありますが、この製品のRa値は97。一般的な蛍光灯が60程度、90を越えていれば高品質といわれる家庭用照明機器の世界の中では突出した値になっています。

これが実現できたのは、元々ミネベアミツミが美術館などの照明を手掛けていて、その技術を持っていたこと。そして、それを家庭用の製品でも使おうと決断したことによります。

普通に考えて、家庭用照明でここまで太陽光に近い演色性は必要ないと思います。しかし、これが使ってみると快適なだけでなく、汎用性もあることに気がつきます。例えば白い紙は白く、黒い文字は黒く見えるのです。筆者であれば、製品のレビューを書く時に、手元にある、そのモノの色がハッキリ分かるのはとても助かります。
 

質の高い光を自在にコントロール

筆者の仕事場での「SALIOT pico」設置例。上二つは照射角を広く、下の1灯は狭めに設定。明るさも、実際に使いながら最適な照度に調整して、アプリに記憶させている

筆者の仕事場での「SALIOT pico」設置例。上二つは照射角を広く、下の1灯は狭めに設定。明るさも、実際に使いながら最適な照度に調整して、アプリに記憶させている

しかも「SALIOT pico」は光源がスポットライトの形で、本体はレールになっています。そのため光の方向を自由に変えられるだけでなく、ライトの高さや照射範囲も変えられるのです。例えばキーボード全体を照らすとか、手元のメモ帳だけを照らすといったコントロールができます。

さらに、購入時にスポットライトを1~3個まで、スポットライトの明るさを1Wタイプと3Wタイプから選べます。自分の環境に合わせた構成で購入できるのは、照明機器としてかなり画期的なスタイルですね。仕様(スタンドタイプ)はすべて378mm×85mm×85mm(高さ×幅×奥行)で、重さは灯数によって856~1006gとなっています。

「SALIOT pico」製品概要一覧はこちら(ミネベアミツミのプレスリリースより)

筆者は2台のパソコンを使って仕事しているので、「SALIOT pico」を机の中央に置き、下の2灯を右側に向けてメインで使うほうのキーボードと手前のメモや資料を読むスペースを照らし、一番上の1灯を左に向けて、左に置いたキーボード全体を少し高い位置から照らすようにセッティングしています。こういう左右の振り分けができるのも、このライトの嬉しい点ですね。光源が直接目に入らないので、仕事用の照明として最高なのです。
 

スマホアプリで明るさを細かくセッティング

アプリはグラフィカルなインターフェイスで、簡単に設定ができる。複数のスポットライトを組み合わせて使うシーンの設定は最大5つまで登録可能

アプリはグラフィカルなインターフェイスで、簡単に設定ができる。複数のスポットライトを組み合わせて使うシーンの設定は最大5つまで登録可能

明るさの調整はスマートフォンの専用アプリから行うのですが、これがまた凝っています。3灯それぞれの明るさを調整できるのは当然として、それぞれの明るさやオン/オフをひとまとめのセットとして登録できるのです。

例えば筆者の場合、左だけをオンする設定、右向きの2灯のみをオンにする設定、両方をオンにする設定。さらに小物の撮影などに使う場合の明るさに設定したものの4通りのプログラムを記憶させています。こうしておくと、いつでもその設定を呼び出せるわけです。本体のスイッチで最後に使った設定のまま、電源のオンオフできるのも便利です。

実はこのスマホアプリも、美術館などで使われているものと同じものを採用しています。こうした細部まで、家庭用だからとスケールダウンせずに、プロ用の照明機器として製品化しているのが「SALIOT pico」の最大の魅力だといえます。
 

今までにない光環境を家庭で味わえる名品

このように、棚などの後ろに寝せて間接照明としての利用も可能。これが本当に本格的な明かりになるのでビックリした

このように、棚などの後ろに寝せて間接照明としての利用も可能。これが本当に本格的な明かりになるのでビックリした

実際、インスタグラムなどをよく使う人なら、この光の下で撮る食べ物や花、文房具などがとてもキレイな色で撮れることに驚くと思います。また、製品を横倒しにして使うこともできるので、棚の後ろなどに置いて、間接照明のライトとして使うこともできるのです。

それこそ、美術館や高級ホテルのパーティー会場のような雰囲気のある光が簡単に手に入ります。ベッドサイドでスポットライトを絞り込んで使えば、隣で寝ている人に迷惑を掛けずに本が読めたりもします。これだけの高性能の割に価格も手頃ですし、とにかく一度試してもらいたい照明なのです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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