ドキュメントスキャナの大定番「ScanSnap」に新作「iX1600」登場
PFUの「ScanSnap」は、ドキュメントスキャナの定番シリーズ。書類をセットするだけであっという間に複数枚の書類を両面スキャンして、PDFファイルにしてくれる、デジタル時代のビジネスには欠かせないツールです。書類のサイズが違うものも一度に読み込めるし、OCR(光学文字認識)も掛けてくれるし、複数の設定を自在に呼び出せます。下手なコピー機よりも扱いが楽なのがうれしく、筆者も初代機からScanSnapを使い続けています。
その最新型が、2021年1月22日に発売された「ScanSnap iX1600」です。詳細なスペックや機能はメーカーのホームページなどを参照してもらうとして、ここでは、実際に使ってみての感想や前機種との違いを、文房具や仕事用のガジェットを使いこなすライターの納富廉邦が詳しくレビューします。
A4書類の両面を1分間に40枚の高速スキャン
ScanSnap iX1600の最大の変化は、スキャン速度の大幅なアップです。前機種である「iX1500」は1分間にA4用紙両面を30枚スキャンできたのですが、iX1600は1分間に40枚のスキャンが可能。読み取り速度が最大33%高速化しました。数字だけ見ると違いはあまり感じられないかもしれませんが、実際に見ると、ちょっとビックリするくらいの速さです。スキャン開始ボタンにタッチしてから1枚目をスキャンするまでの時間も短くなっているし、例えばA5の用紙などをスキャンすると、数枚なら一瞬で完了。初めてiX1600を使ったとき、筆者は紙が重なってスキャンされたのではないかと錯覚したほどのスピードなのです。
名刺やレシートなどのスキャンは本当にあっという間。しかも、ソフトウェアが自動的に仕分けしてくれるので、ファイル整理も手間要らずなのです。主に本をデジタル化している筆者は、このスピードのおかげでスキャン時の待機時間がほとんどなくなり、蔵書のスキャンが更にはかどっています。
使いやすくなったScanSnap Homeにも注目
iX1600とiX1500のハードウェア的な違いは、この速度だけで、見た目もほとんど同じです。ただ、iX1600の注目ポイントはそれだけではありません。今回、ソフトウェアもアップデートされ、使い勝手は大幅に向上。ソフトウェアはiX1500でも同じ機能が使えるので、速度が必要ない場合、iX1500を使い続けるという選択肢もありますね。しかし、iX1500登場時に登場したScanSnap用のソフトウェア「ScanSnap HOME」はバージョンアップを重ねて、今や、とても扱いやすいソフトになっています。iX1500登場時に使ってみていまひとつ馴染めなかった方も、新しくなったScanSnap HOMEを使ってみると、その扱いやすさに驚くと思います。特に、好きな場所に保存できるようになったこと、ネットワーク上で共有している場合に、メンバーそれぞれの設定を簡単に切り替えられるようになったこと、本体のみの操作でクラウドへの直接保存が可能になったことなどは、ぜひ試してもらいたい機能です。
もはや新しい文房具としてデスクに常備しておきたい
PFUによると、リモートワークの普及でScanSnapの売れ行きが伸びたのだそう。実際、紙の書類を手軽にデジタル化できるというのは、言わばネット上でのコピー機を持っているようなものです。請求書に印鑑を捺してスキャン→そのままメールして、クラウドにもアップ、といったことが、ほぼ自動で行えるのですから助かります。手書きのメモやアイディアスケッチなどの共有も面倒なく行えます。ScanSnapはWi-Fi対応で、パソコンとケーブル接続する必要がないどころか、スマホやタブレットから操作してネット上に直接保存することも可能。置き場所も選ばず、スキャンしたファイルの管理も簡単です。さまざまなシーンで活用すればするほど、iX1600のスキャンスピードが効いてくる訳です。