残暑をしのぎながら秋色を取り入れたい
少しずつ秋を取り入れていきたい残暑。ですが、秋物を着るにはまだ暑い……そんな時は、夏服のカラーリングを変えて秋らしいコーディネートを作り、オシャレを楽しんでみませんか。自前の夏物で秋色コーデができれば、新しい服を買うことなく、今すぐ実践できますよ。全身の色の明るさを重めにまとめることで色に深みを
ボルドーやブラウンなど色そのものに深みがあるものもありますが、「THE秋色」のアイテムは厚手で体温調節し辛いことが難点……。でも、「深みのある色」というのは、色同士を組み合わせることでも十分実現できるんです。近しい明度の色を組み合わせることによって、色は深みを増します。明度とは、物の持っている色の明暗のこと。明度は白が最も明るく、黒が最も暗い色と定義されています。
「近しい明度を組み合わせる」とは、色と色の明るさが近いもの同士を隣り合わせ配置すること。下の画像は、近い明るさ同士の色を隣り合わせにした明暗の差があまりない状態の配色です。この明暗の差はコントラストと呼ばれ秋色っぽい配色はコントラストが低い状態が良いということになります。
逆にコントラストが高い状態とは隣同士の色の明暗差が大きいことです。最も大きい状態は下の画像の白と黒を隣同士に配色した場合です。
コントラストが高い状態では各色がハッキリと見えやすく色の印象が強まります。各色が鮮やかに見えるという効果もあります。それに比べてコントラストが低い状態は各色がハッキリとは見えて来ず、配色された複数の色がまとまって見えます。
実際のコーディネートでコントラストが高い状態と低い状態を比較してみたのが下の写真です。
左はコントラストが高い状態、右はコントラストが低い状態です。左は白と緑がハッキリとした色で鮮やかに見えてくるのがわかります。各色の鮮やかさが際立ち春夏にピッタリな爽やかな印象に。一方で右はネイビーとグリーンの明度が近く、全体的に寒色でまとめられたシックで落ち着きのある印象を受けます。特にグリーンが白と合わせたときよりも鮮やかさを失い深みのある色に見えてきます。同じグリーンのパンツも隣り合う色が違うだけで色そのものの印象が変化して見えるのです。
では、次にこの暑い時期から取り入れられる配色をご紹介します。
深みのある色になるおすすめカラーと配色
■おすすめカラー1 カーキカーキはもともと落ち着きのある色なので、秋色配色におすすめの色。カーキで手っ取り早く秋らしい深みを出すなら、ブラックやヘザーグレーなど暗めの無彩色(色属性のない色、モノトーン)を合わせてみて。
上のコーディネートは全体の色をカーキとブラックに絞り込んでシックな印象にまとめました。
こちらはボトムスがやや明るめのカーキなので、トップスは暗すぎないヘザーグレーを合わせコントラストの低い配色でまとめています。暑さもしのげる薄手アイテムの組み合わせですが、渋め配色なので秋を感じるコーディネートになっています。
■おすすめカラー2 ネイビー
ブラックほど重たくならず深みを出しやすいネイビー。上品さや知的な印象を持つネイビーは大人っぽい秋コーデにオススメです。
上のコーディネートは最も暗いブラックと組み合わせていますが、ノースリーブや麦わら帽子など夏アイテムで合わせているので、暑苦しさを感じません。ネイビーとブラックは明度が非常に近く、コントラストが最小に抑えられるので、組み合わせると、とてもシックな印象を生み出します。
こちらはグリーンを合わせ全体的に涼し気な色にしつつも、コントラストは低いので深みを感じられるコーデです。グリーンというと、明度の高い色を合わせて爽やかにまとめがちですが、これからの季節はネイビーなどと深みのある配色を作ってみるといいでしょう。
■おすすめカラー3 パープル
コントラストが低い配色のコーディネートに、更に秋らしさを加えるなら断然パープルがオススメです。特に明度低めのパープルが、深みのある配色をしやすい色。手持ちの服にないという人は、パンプスやバッグなどファッション小物から取り入れてみてはどうでしょう。
こちらはおすすめカラー1のカーキとブラックを合わせたコーデにパープルのパンプスを合わせたもの。パープルが入ることでブラックとカーキの組み合わせの深みが一層際立ち、それぞれの色がキレイに見えてきます。
今度はブルーのシャツとグリーンのスカートを合わせた寒色系秋色配色に、パープルで温かみを加えました。暑い季節だと寒色系でまとめたくなりますが、パープルなど暖色すぎない温かみのある色なら暑苦しくなく秋色を取り入れられますね。
いかがだったでしょうか? 色の明るさを少し意識すれば手持ちの服で秋色コーデは十分楽しめます。今回、ご紹介した色以外でも、コントラストを低く合わせることを意識してみると、新しい発見があるかもしれません。