ショップにオーダーするうえで知っておくべき基礎知識
カスタムに際して知っておかなければいけないのが、その内訳。カスタムパーツは人の手によって取り付けられるもので、ワンオフパーツ製造や加工装着などは経験豊富なビルダーの腕が求められます。【極意 其の一】 理想のスタイルを描く!
まずはどんなスタイルを目指すのかが最大のポイントです。オーナーがイメージを持たずしてカスタムすれば、最終的にまとまりのないバイクになってしまいます。「スタイルもさまざま」などと言うと身もフタもない話になるので、スポーツスターカスタムで用いられることが多いスタイルを箇条書きにしてみました。[チョッパースタイル]
ハーレーのカスタムと聞いて思い浮かべる人が少なくない王道カスタム。チョップする=無駄を削ぎ落とすという意味で、現ラインナップで近しいのがXL1200V セブンティーツー。ロングフォークにエイプハンガー、コンパクトなボディワークが特徴的。
[ボバースタイル]
ビンテージレーサーを模したスタイルで、XL1200X フォーティーエイトがその代名詞的存在。前後16インチホイール&ファットタイヤという組み合わせで足まわりにインパクトを持たせ、ボディラインを美しく象っていく。
[レーサースタイル]
速さを求めたスキのないスピードスタースタイル。「カフェレーサー」「ドラッグレーサー」「ロードレーサー」など、バリエーションも豊か。XL883Rをベースに目指すのがベストで(フロントがダブルディスクブレーキ仕様だから)、どちらかと言えばパフォーマンスアップのカスタムが主。
[トラッカースタイル]
今風で言えばスクランブラー、いわゆるオフロードバイクの起源でもあるネイキッドオフローダー。アメリカではスポーツスターでダートを走る遊びもあり、カスタムの相性もバツグン。映画『栄光のライダー』に登場するスタイルが決まれば注目の的に。
[ビンテージスタイル]
スポーツスターの始祖 モデルKから始まるクラシカルなスポーツスターへの回帰スタイル。車格そのものは大きくなっているものの、全体的なデザインは昔のままであるスポーツスターだからできるカスタムスタイル。センスの良いショップに巡り会えば、驚きの一台が生まれることも。
基本的なカスタムスタイルはこの範疇におさまるでしょう。スタイルを決めるまでは、ウェブや雑誌などで“自分に刺さるスタイル”をとことん探すのがベスト。そしてそれが決まれば、ショップ探しです。
【極意 其の二】 予算を決めて希望のショップに相談
「ベースになるバイク」と「カスタムスタイル」が決まれば、最後にショップ選びです。特にカスタムショップとなると、それぞれ個性がまったく違うので「どこでもいい」わけではありません。先ほど決めたカスタムスタイルを再現してくれるショップを見つけましょう。「自分の希望するスタイル」と「予算」を伝えれば、ビルダーがそこから実現可能なカスタムメニューを見積もってくれます。予算が十分であれば「フルカスタムしちまいましょう」、予算が足りなければ「まずは第一段階としてここまでやって、その後、新たにご予算ができたときに追加でメニューを加えていきましょう」とアテンドしてくれます。
トラブルやメンテナンスで車両を預けることもあるので、できれば生活圏内のショップが見つかればベストですが、スタイルとの相違や好みだけは如何ともし難いもの。今は遠方からの依頼でも受けるショップが少なくないので、「どうしてもここがイイ!」というショップが見つかれば、カスタム完成後のアフターケアなどは近所のショップに任せるとして、思い切って遠方まで行ってみるのもいいでしょう。
何より大事なのは、実際にお店に足を運んで、雰囲気を見て、店員さんとコミュニケーションをはかること。フィーリングが合えば、きっとあなたにとって良い結果が生まれるに違いありません。思い描いたとおりのハーレーが手に入れば、それはもう出来合いモデルの価値をはるかに凌いでいることになるのです。
100万円を基準としつつ、アプローチ次第でオンリーワンバイクが手に入れられるハーレーダビッドソンの世界。購入を検討されている方は、ぜひこんな観点で考えてみてはいかがでしょう。