同じストリートでも日本とアメリカでは大違い?
そんなストリートグライド、昨年『PROJECT RUSHMORE』(プロジェクト ラッシュモア)なるアメリカ ハーレーダビッドソン本社の一大計画によってブラッシュアップされ、さらに今年、FLHXS ストリートグライド スペシャルというグレードアップ版として日本上陸をはたしました。まず昨年にはオートバイの背骨であるフレームが剛性アップし、最新のブレーキシステムが搭載。そして今年のスペシャル版では、手動調整が可能なアジャスタブルリアサスペンションが採用されました。端的に言えば、以前にも増して乗りやすくなったということです。サウンドパフォーマンスもハーレーダビッドソンの魅力のひとつ。フェアリングの左右には大きなスピーカーが備わり、中央にあるタッチパネル式モニターでラジオやオーディオを楽しむことができます。これでカーナビも付いていたら最高なんですが、日本語対応カーナビがまだ導入されていないのです。ここだけガッカリ。
スマートフォンともUSB接続できるので、自分のスマホにダウンロードしている音楽をこのストリートグライドのオーディオで楽しむことも。ちなみにスピーカーからだだ漏れな音楽が気になるところですが、実は停車すると自動的に音が下がる仕組みになっているのです。なので走行音に負けじとサウンドアップしていても、停車時に下げる必要はありません。
排気量1,689ccのエンジン『ツインカム103』が生み出す走りはとにかくパワフル。Vツイン特有のパンチ力ある出だしはパンチ力があり、ロケットスタートという言葉どおりのスタートダッシュが楽しめます。しかしながら、ストップ&ゴーが多い東京のような都心部だと、そのパワーを完全に持て余してしまうところ。ストリートグライドは6速ミッションですが、実際は2~3速の中低速で流すのがせいぜい。アメリカはストリートとはいえ、道幅も広く直線も長いので、日本のストリートと同じようには考えられませんね。このあたりのミスマッチ感も、カルチャーの違いと受け止めざるを得ません。
ただ、その名に縛られることなく、日本流という目線でストリートからツーリングまで幅広く扱えるモデルだと思います。北海道や九州へのロングツーリングとなるとウルトラに軍配が上がりますが、日帰りや一泊ぐらいならストリートグライドの積載量で十分。要は使い方、付き合い方が大事なのです。
やっぱりカスタムで遊ぶのが一番!
改めて「ストリートグライドで遊ぶ一番の楽しみは?」となると、カスタムをおいて他にないでしょう。実際、私は乗っていて「ここはこうしたい、ここはあのパーツに換えたい」という欲がいっぱい出てきました。まず走行性能に関してですが、日本人の手のひらサイズに合わせた細身のレバーにして、シートもいろいろ物色したいところ。ブレーキも品質の高いものが装着されているので、今のままで十分かな、と思います。そして、なにより外装ですね。リアエンドはバガーにふさわしい一体感のあるカウルキットを用いてしまい、グラフィックも完全に変えちゃうでしょう。相当に高価な遊びですが、痛車にだってできちゃうでしょうし、彩り方はオーナー次第。逆にカスタムしないことの方がストリートグライドにとっては失礼かも?
……と、思わず妄想が暴走してしまうほど魅力的なストリートグライド。日本ではなかなか馴染みづらい個性の持ち主ですが、最新のアメリカンカルチャーを体現する理想的なベーシックモデルとして注目していただきたいです。
[HARLEY-DAVIDSON FLHXS SPECIFICATIONS]
全長/2,430mm
全幅/960mm
全高/1,350mm
ホイールベース/1,625mm
加重時シート高/695mm
車両重量/372kg
エンジン型式/Air-cooled, High Out Twin Cam 103
排気量/1,689cc
フュエルタンク容量/22.7L
フロントタイヤ/130/60 B19 M/C 61H
リアタイヤ/180/65 B16 M/C 81H
主要装備/
・ABS搭載 Reflex リンクドブレーキ
・セキュリティシステム&スマートサイレン
・Boom! BOX 6.5GTオーディオシステム(6.5インチカラータッチディスプレイ搭載)
【メーカー希望小売価格】(消費税込/2014年10月現在)
[ビビッドブラック] 299万5000円
[モノトーン] 303万4500円