アンコールワットのオールドマーケットで売られたシルクのショールは別格
貴女がアンコールワットを訪ねたならば、すべらかで甘い肌触りと美しい文様の、クメール伝統織りのシルクのショールを必ず買って帰ってください。あなたが男性ならば、奥さまや彼女に。絶対に喜ばれます。私は世界各地の布、とりわけスカーフやショールが大好きで、もう引き出しいっぱい分も持っているのですが、今でも旅したほとんどの地でひとつは買ってしまいます。友人知人、家族が旅行に行く際はお土産に必ず頼みます。
ベトナムの愛らしい花模様のものも、絹の国中国の鮮やかな緋色、エメラルドグリーンのショール、それからそれから、中国の西の果て、カシュガルのバザールで現地の人々にまざって買った大輪のひまわりが描かれたスカーフも、持っています。
それらすべてがわたしの大切な宝物で、洋服を選ぶ際にも、このショール・スカーフに似合う服、引き立てる服は? そう思いながら、鏡の前でためつすがめつしています。
でも! アンコールワットのオールドマーケットと、クメールの伝統的なお酒を復活させようとするお店で買ったシルクのショールは、別格です。
これを身につけるのは何か特別な行事の際のみ。たとえば誰かの結婚式や、特別豪華なホテルやドレスコードのあるレストランでのディナー。旅の支度の際も、これさえあればドレスアップできると、その地の気候や持っていく服にあわせて一枚は必ずしのばせます。
アプサラダンスショーの踊り子さんの衣装や、プリアカン、バンテアイスレイのといった遺跡群の壁にも彫りこまれた伝統の文様。カンボジアの強い太陽に負けない、鮮やかな色。そしてつややかな夜を織り込んだような黒。できれば店にあるすべてのショールを一種類ずつ買いたかったです……。
長く続いた内戦中も、決して忘れさられることのなかった織の伝統。美しく甦ったショールを、あなたもぜひ手に取ってみてください。きっと、とりこになります。
■Institute for Khmer Traditional Textiles (クメール伝統織物研究所)
住所:No.472, Viherchen Village, Rd. to Lake,
TEL:964437
公式ホームページ:クメール伝統織物研究所
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