「自然」によって破壊され続けている寺院遺跡「タ・プローム」
「アンコール・ワット」と一口に言っても、世界遺産になっているのは「アンコール・ワット遺跡群」であり、有名な『アンコール・ワット』はその代表的な遺跡の1つに過ぎません。その数ある遺跡群の中でも、日本人にとりわけ人気で有名だという『タ・プローム』遺跡を推したいと思います。タ・プロームは、12世紀にジャヤヴァルマン7世によって建てられた仏教寺院。私も一番印象深くて、毎回行くと不思議な気持ちになるそんな寺院遺跡です。
この遺跡の特徴的なところは、破壊されているというところ! しかも現在進行形で破壊され続けており、危機遺産なので、もしかしたら将来立入禁止になってしまう可能性もあると現地ガイドの方が言っておりました。
「何」に破壊されているかというと、「自然」です。遺跡を長い内戦によって放置されていた結果、遺跡の周りや下に根が張っていたスポアン(ガジュマルの一種)の木に押しつぶされているのです。石の寺院と木とコケが一体化して、まるで生き物のような不思議な光景が見られます。
写真を見ていただけると分かるかと思うのですが、もう木が遺跡を圧倒しています。完全に押しつぶされていたり(写真1枚目・2枚目)、仏像に巻き付いていたり(写真3枚目)、結構大変なことになっています。
でもなぜか、そんな光景が特に日本人に人気だそうです。それを聞く前から、私もこの遺跡はすごい好きだなーと思ったので、つくづく日本人なんだなと感じたりもしました。
ツアーだったりすれば必ず入っている有名な遺跡ですので、皆さんもぜひ体験していただきたいです。