県人寮ってどんなもの?

県人寮

県人寮は同じ県出身の学生という安心感

県人寮は、各都道府県の育英会などが主に運営している、特定の県の出身者限定の学生寮です。主に関東で学ぶ大学生のために、地方の道府県出身者のために作られた、長い歴史のあるものが多いようです。例えば、長野県の信濃学寮は、創設60年。これだけ歴史があると、寮の卒業生は3000人。同窓会もあって様々なバックアップをしてくれる、というメリットもあります。就職活動時などに、寮のOBが頼りになることもあるでしょう。

同郷の仲間がいるということは、都会での生活に不慣れで、なかなかなじめないという人にとっては、とても心強いことでしょう。戦前は方言や食事の違いなど、出身県の独自性もかなり強かったので、一人暮らしを始める前に、こうした県人寮に住むことは、社会生活に慣れるためにはよいステップになりました。月額4万円で朝夕食付きなど、格安なタイプもあります。同郷の学生の勉学環境を支援しようという設立理念が賃料にも反映されています。

ただし、歴史が古い分、たとえば、設備の老朽化などが気になるケースもあるかもしれません。また、戦前に設立されたため、男子寮しかない、という県もあります。

入寮には、書類審査および入寮希望者本人の面接、作文などが必要となるケースもあり、選考日なども決まっている寮もあります。希望しても簡単に入れるわけではないというところは、押さえておいたほうがいいポイントです。

歓送迎会やボーリング大会、あるいは寮対抗の野球大会など、なにかと、人と人とのつながりがあるという点も、うれしいと思う方もいるのではないでしょうか?同じ県の出身者同士で、勉学をし未来を語り合うというのは、まさに明治維新の志士のような気持ちで、故郷を想い夢を描く。そういうことに共感する人には向いていると思います。

このように、県人寮は、「集団生活」や「門限などのルール」が「煩わしい」と感じる方には向いていない施設です。

また、同郷の学生とのつながりが強くなりますので、逆に、さまざまな県の出身者との接点が薄れ、多様な価値観と触れあうという点は弱くなってしまうかもしれません。その点は後述する学生会館のほうが、様々な県の出身者と接するチャンスが多くなります。

大学が運営する学生寮

各大学が運営する学生寮というものもあります。キャンパス内にあるというケースもあり通学の利便性も高いのが特徴です。寮内はすべて同じ大学の学生ですから、サークルの選び方から、試験対策、先輩後輩の結び付きなども強いという点がメリットです。

同じ大学の学生ばかりが住んでいますから「試験の前には先輩から過去問をもらうので、対策ができる」などというメリットもあります。「あの先生の授業は単位が取りやすい」「あの先生は3回欠席したらアウト」といった情報も、先輩達から入りやすいようです。夏休みやテスト休みもみんな一緒ですし、友人が作りやすい環境といえます。

もともとは、大学に通うことに経済的に困窮している学生を救う事が設立目的であるため、特に国公立大学では、寮費が安いという傾向があります。たとえば、千葉大学の寮では、月額700円!というものもあります。

ただし、入寮には一定の収入条件があり、その点でも学生会館などに比べると、入寮しにくい傾向があります。

また、海外の留学生のための寮や、体育会の学生のための寮など、特定の学生を対象としているケースもあります。私立大学の場合は、留学生の獲得やスポーツの強化は経営テーマでもありますので、そのための施設として設置しているケースもあるようです。

海外の留学生を受け入れるための寮では、日本人との学生との交流も積極的に行われていて、文化交流も果たしています。慶應義塾大学の学生寮などは、民間の学生会館の企業と提携して、大学の寮として業務委託しているようです。
また、早稲田大学の学生寮などのように、教育プログラムへの参加が義務付けられている寮もあります。さまざまなメリットがある分、義務もあるということでしょう。

大学が運営していることのメリットは、前述したとおり同じ大学の住人ばかりということですが、一方で、そのことはデメリットにもなりえます。違う大学の学生の多様な価値観と接する機会がなくなってしまったり、キャンパス内に閉じこもってしまうということを避けたいと思う学生もいるのではないでしょうか?



では、入寮しにくい県人寮や大学運営の学生寮と異なる、「学生会館」について後編で論じます。