昭和を感じる佇まい 「チェリー食堂」
茨城の海沿いも大地震の影響を受けた。津波は海の深さに大きく影響し、岬や港の向きが大きく被害の甚大さを左右した。大洗や那珂湊周辺の町もその例外ではなかった。那珂湊と聞いた時、一度寄ったことのある「チェリー食堂」が頭に浮かんだ。東関東自動車道を終点の潮来で降り、国道51号線を北上した。片側一車線が二車線のバイパスとなり、大きく左にカーブして、大洗の町方面に向う側道を降りた。
6年前のことであるが、この側道の一旦停止違反で茨城県警のパトカーに捕まった。停止線は薄れていた。その左脇の陰にパトカーがいて、海岸に下る道までサイレンを鳴らして追いかけてきた。今回は同じ轍を踏まないように用心深く、一旦停止する。あの時の位置にパトカーはいないが、どこで見張っているか知れたものではない。
海岸道路を進み、復興した大洗水族館の前を通り、那珂川にかかる赤いトラス橋を渡る。だんだん、チェリー食堂が近づいている。丁字路の交差点を右折し左カーブの先が食堂だ。
「チェリー食堂」と名前だけ聞けば、映画「かもめ食堂」のような今時のカフェのようにも聞こえるが、中華でも和食でも洋食でも食べられる大衆食堂である。大海老フライが名物のようで、大きくポスターも貼られていた。
果たして、食堂はあった。駐車場に車を停める。そろっと中に入ると、店の人たちは遅い昼食を食べていた。更に遅いランチで「大海老フライ定食」をもらう。お店は少々高い所にあって、1メートル低いと浸水していたと聞いた。その1メートルが運命の分かれ道だったのだ。
大海老をシャリシャリと食べた。まあ、よかったよかった。
■チェリー食堂
住所:茨城県ひたちなか市海門町1-4-1
電話:029-262-4417
※データは記事公開時点の情報です。