その会社を良く知らないのに投資をするのはよくない
澤上:株はどうなっているの?
K山:株も含み損があるのですが……。判断できなくて、そのままにしています。
澤上:判断できないということは、その会社を良く知らないのに投資してしまった、ということ。よくある、失敗ケースだね。
K山:そうですね。だから投資が少し怖くなって、最近、個人年金保険に加入しました。
澤上:残念だけど、こんな超低金利の時代に貯蓄目的で保険に入るのは賢い選択とはいえないな。考え直した方がいいかもよ。
投資を再開し、老後は運用しながら使う
マネー誌などを読むと、シングル女性は老後までに1億円必要だと言われているので、焦ります
K山:でもマネー誌などを読むとシングル女性は老後までに1億円必要だと言われているし、何か始めなきゃ、と思って。
澤上:そういう考え方はやめた方がいい。K山さん、リタイア後は毎月いくらあれば生活できそう?
K山:20万円位でしょうか。
澤上:このまま働き続け、月12万円公的年金が出ると仮定すると、あと7~8万円あればいい。定年後から女性の平均寿命86歳まで生きるとすると、1億円なんて必要ないことが分かるよね。
K山:たしかにそうですね。でもなんとなく不安で……。
澤上:漠然とした不安を持っていると、間違った選択をしてしまうから、気をつけた方がいい。オレなら今ある1000万円に加えて毎年72万円の貯金は、本格的な長期投資に回してしまうけどね。ここは自分でしっかり考えて欲しい。
K山:たしかに、貯金じゃ増えないし、当面、大きなお金は必要ありませんからね。
澤上:そのとおり。もうひとつ知っておいて欲しいのは、老後資金はリタイアした瞬間に大きなお金が必要なわけではない、ということ。リタイア後も長期運用を続けて、必要なときに、必要な額を引き出していけばいいんだ。
K山:は~、たしかにそうですね。
澤上:投資は一生のスキルであり、早くから本物の投資を知っておくことがすごく重要。K山さんはこのまま仕事を続け、長期保有ができる投資信託を選んで投資すれば、お金の心配はないと思う。毎月の貯金も、投信の積み立てに切り替えるといいよ。
K山:そうですね。
澤上:不安を感じるより、むしろお金を使う方向に舵を切った方がいいと思うな。
K山:リタイアしたら、自宅でフラワーアレンジメントの教室でも始めて収入を得ようかと思っているんです。
澤上:趣味として誰かに教えてあげるならいいけれど、収入を得るのは簡単ではないよ。それより、K山さんには社会に積極的に関わることを勧めたいね。たとえば、社会に役立つNPOはたくさんある。そこからK山さんが共感できるものを探して応援する。
K山:寄附とか?
澤上:寄附もいいけれど、むしろ、K山さん自身が社会に役立つ活動に積極的に関わり、お金も使う。仲間もできるし、視野が広がるぞ。その活動の中で応援したい企業が見つかったら、株式投資をするのもいいね。
K山:そういう株式投資なら、今みたいな良く分からないで投資してしまい、株価が下がってしまって、おろおろするなんて失敗はなさそうですね。
澤上:そのとおり。投資信託、株式と、今から本格的な長期投資をしておくことが大事。経験を積んでおけば、退職金が入ってきたとき、運用に失敗する心配もなくなるしね。
将来に備える投資信託ってどんなだろう?澤上さん・藤沢久美さんが福岡で本当に大事なお金の話、語ります。