ネットオークション/オークション詐欺にあったときは

ヤフオク、補償制度が適応されないケース

詐欺被害に遭った時に頼みの綱となるヤフオク!の補償制度。以前「Yahoo! オークション補償」だった制度名は、現在は「未着・未入金トラブルお見舞い制度」へ変更されています。50万円まで補償してくれる制度ですが、うっかりすると補償の適用外になってしまうことも。制度内容をしっかりチェックしておきましょう。

執筆者:堀切 美加

「Yahoo! オークション補償」は「未着・未入金トラブルお見舞い制度」へ変更に

「オークションで詐欺に遭っちゃった」
「だまされた!損した!」

 

詐欺師に騙された金額はどうしたらいいのでしょう。犯人は捕まるのでしょうか?返してもらえるの?

多くのオークションサイトでは、詐欺に遭った場合、詐欺の被害額を補償してくれる[補償制度]を用意しています。ヤフオク!にも「Yahoo! オークション補償」の制度がありましたが、現在では「未着・未入金トラブルお見舞い制度」に変更されています。どのような制度で、どのような場合に使うことができるのか知っておきましょう。

 

 

補償は50万円まで。Tポイントで戻ってくる

「未着・未入金トラブルお見舞い制度」とは、万一、詐欺などにあった場合、1出品につき50万円を限度として落札額の100%を補償する制度です。とにかく補償は50万円までなので、たとえ落札金額が100万円だとしても、全額補償されるわけではありません。しかも、お見舞い金は現金ではなくTポイントで戻ってくる点も、確認しておく必要があります。
 

送料等の落札金額以外の料金は補償されない

商品を落札すると、送料や振込手数料がかかることもあります。でも、これについては補償の対象外となります。

例)
10万円の落札
送料 1800円
振込手数料 420円
計:10万2220円

被害額として考えられるのは、10万2220円ですが、補償額は、落札金額である10万円となります。
 

出品者として詐欺にあっても請求できる

詐欺に遭う事が多いのは、主に落札者としてですが、出品者として詐欺に遭うことも考えられます。商品を送ったのに、代金が届かないなどのケースです。未着・未入金トラブルお見舞い制度では、出品者・落札者どちらも補償の対象となります。 オークションでは通常、代金を受け取ってから商品を配送することが多いですが、
 
  • 善意で商品を先に送ってしまって、代金が支払われない
  • 落札者の希望で商品を先送りしてしまったが、入金してくれない

などの場合は、未着・未入金トラブルお見舞い制度の手続きをしましょう。出品者として詐欺に遭った場合の補償額も、出品商品の落札価格の100%です。ただし、50万円分のTポイントが上限です。

正式な落札価格は、終了時の[現在価格]です。オークション終了画面で確認をするか、マイオークションの[出品終了分]で確認できます。送料着払いにしていない場合は、送料も被害にあっているわけですが、補償金額には加算されません。
 

Yahoo!プレミアム会員以外の補償は1年に1回のみ

補償が受けられない条件とは?

補償が受けられない条件とは?

注意していても、取引が多ければ多いほど、詐欺に遭う確率も増えてくるので、二度三度詐欺に遭う人もいるようです。でも、残念ながらお見舞い金を請求できるのは同一利用者あたり1年に1回となっています。2回目からは補償の対象になりません。

[1年に1回]という決まりですが、この1年という期間は請求日から1年間ではなく、オークション終了時刻から1年間となります。

ただし、Yahoo!プレミアム会員になっていれば、未着トラブルに関しては年間の回数に制約なく対応をしてもらうことができます。これに関しては、未着・未入金トラブルお見舞い制度とは別の「お買いものあんしん補償」の制度になります。
 

同じ商品を複数購入して詐欺に遭った場合はまとめて請求

ユーザーの中には、同じ商品を複数落札する人もいます。例えば、箱売りの商品や、デジカメ10個の販売などです。出品個数が複数になっているものは、同じオークションIDの商品ということになります。この同じオークションIDを複数落札した場合でも、上限を50万円として補償の対象になります。
 

商品がない状態での出品

落札されてから商品を調達する商品の落札は、補償の対象になりません。そもそも、落札されてから商品を調達する出品は禁止されているので、その商品については補償の対象外になるのは当然といえます。それでもオークション内には、発売前のチケットや人気の家電など、商品がない状態で出品されていることがあります。この商品を落札して詐欺に遭った場合は補償の対象になりません。


商品がない可能性が高いものとしては、以下のような言葉が商品説明に書かれていることが多いので注意しましょう。

・納品は入金後、10日から2週間かかります
・入金後、商品をご用意いたします
・予約販売となります。発送までにはお時間をいただきます
 

補償対象外カテゴリ

下記のカテゴリへの出品については補償対象外です。
(ア)ペット用品、生き物>生き物、生体(ヤフオク!の場合はペット、生き物)
(イ)チケット、金券(ヤフオク!の場合はチケット、金券、宿泊予約)
(ウ)不動産
(エ)その他

また、上記カテゴリーに出品することが相当な商品の取引である場合も補償の対象外になります。

 

補償のない郵送を使い商品が届かない場合

普通郵便などの補償のない配送方法で、落札商品を送ってもらい、手元に届かない場合は、配送中に紛失しても「補償」がない配送方法を選んでいるため、取引にあたっての注意を欠いていたとみなされ、対象外となります。

 

取引口座がトラブル口座リストにあった!!

ヤフオク!では、苦情の多い口座を「トラブル口座リスト」として公開しています。出品者の口座に落札代金などを振り込む前に、このトラブル口座リストで、振込先の口座番号がないか確認しましょう。口座番号や金融機関名から調べることができます。
 

トラブル口座リストとはお客様からトラブルが多数報告されている出品者の振込先銀行口座のリストです

        「トラブル口座リスト」操作画面

 

URL:https://auctions.yahoo.co.jp/info/f/trouble/

ちなみにですが、支払うときにYahoo!かんたん決済を利用すると、トラブル口座リストにある口座への振込は行われません。
 

海外へ入金、海外へ発送の場合は補償されない

日本国外で商品発送または代金支払が行われた取引や、行われることが予定されていた取引野場合には、補償がききません。商品説明に

・海外からの発送となります
・入金は○○(海外の口座)へ

とあったら注意が必要です。

 

利用規約やガイドラインに違反した取引

本人確認や登録情報は虚偽ではないですか?

本人確認や申請した氏名や、住所などを偽って登録をしていた場合は、補償されません。偽っていたわけではないけど、住所が変わった、とか、氏名が変わったなどの変更がある場合は、変更しておきましょう。

ヤフオク!で定められた出品ルールを守っていないときは、未着・未入金トラブルお見舞い制度の対象になりません。違法な商品を出品した場合もそれに含まれます。
  •  
  • 利用者が、利用規約に違反する行為を行ったことがある場合
  • 出品が禁止されている出品物を対象とする取引など、利用規約に違反する取引である場合
  • 掲載されていた出品者や出品物などに関する情報と異なる内容を前提として行われた取引である場合
  • 補償請求のために必要な書類を提出しなかった場合
 

詐欺じゃないかもしれないと判断できる場合

商品がやりとりされ、返品などのトラブルの場合は、詐欺とは言い切れないことがあります。その場合は詐欺と見なされず、Yahoo! オークション補償の対象にはなりません。

また、加害者から被害額の一部でも返金をうけた場合も、その後の返金や解決が見込めるものとして、Yahoo! オークション補償はうけることができません。50万円の詐欺に遭い、「1000円だけでも」と被害者が謝罪とともに返金をした場合、補償はなくなります。
 

補償申請はオークション終了後120日以内に

未着・未入金トラブルお見舞い制度を申請できるのは、オークション終了から120日以内です。これを過ぎると申請ができないので、早めに手続をしておきましょう。

 

最後の頼みの綱の未着・未入金トラブルお見舞い制度だけど

詐欺に遭ったときの最後の頼みの綱である未着・未入金トラブルお見舞い制度ですが、意外と免責が多く、いざというときに使えないことがあります。それに現金が戻ってくるわけではなく、あくまでTポイントというのも注意点でしょう。

また、申請には期限があったり、対象外のカテゴリもあります。最近では、海外からの発送の商品も増えてきているので、その場合も補償されないので注意しなければなりません。ただ、基本的にはヤフオク!のルールを守るのが大前提になるので、これを機にもう一度規約などを確認するのもいいかもしれません。

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