Let me assert my firm belief that the only thing we have to fear is fear itself
我々が唯一恐れなければならないのは、恐れそのものだという私の信念を主張したい。
we have to fear is fear itself 「我々が唯一恐れなければならないのは、恐れそのものだ」
最近の経済情勢、1920年代の大恐慌にたとえられることが多いですが、当時は失業率がなんと25%まで上がったというデータもあって、もっとヒドイ状況だったそうですね。そんな状況に敢然と立ち向かい、「恐れることはない」と国民を鼓舞したのがアメリカ第32代大統領、フランクリン・ルーズベルト。我々が唯一“fear”しなければならないのは“fear itself”、と、“fear”を二回続けてウィットに富みながら、力強い表現になっています。
ん?ちょっと待って。表現がかっこいいのは分かったけれど、「唯一恐れなければいけないのは恐れそのものである」ってどういう意味?と言うカギを解くのが、マネー・カレッジの経済ダイヤモンドモデル。「金利」から始まって、「株価」、「為替」、「物価」という経済の四大指標間の関係を表したものですが、経済がうまく回っているときにはダイヤモンドモデルの間にお金が自由に行き来しているイメージですね。そう、それはあたかも、「経済」という生き物の中を血液が滞りなく流れているかのように。
ところが、人間の体では、危険に直面して恐れを抱くと、緊急警報が発令されます。血液が手足などの末端から心臓近くまで戻されて、仮にケガをしても出血がひどくならないようになるそうなんです。たしかに、緊張すると手足が冷たくなりますもんね。
そして、これは経済も同じで、「大恐慌の再来か?」なんて多くの人が恐れるだけで、「血液」に当たるお金が瞬時にストップしてしまいます。昨年のリーマンショックの時に起こったのが、まさにこれ。銀行などの金融機関は恐れのあまりお金を流通することを止めてしまい、結果として株式市場は大暴落!ますます多くの人が恐れを抱いて…と、まるで「恐怖」の連鎖反応で事態が瞬時に悪化してしまったのです。
と言うことは、逆に、過度の恐れを抱かなければ、
今回は経済ダイヤモンドモデルで言うと、「影の主役」とでも言うべきお金の流れに焦点が当てられました。図で言うと、オレンジと緑の線で示されたところですね。実は最近この分野はホットエリア。「日本銀行がもっとお金を発行すれば日本の景気は回復する」、「いや、そんなことしたらインフレになるだろう」など、ネット上で論争が繰り広げられています。いろんな人がいろんな事を言っていて混乱しているときこそ、経済ダイヤモンドモデルで基本を押さえたいものです。