ブロックメモのスタイルに仕立てたトレイ
かみの工作所「BLOCK TRAY」
各945円(税込) |
ブロックメモは、一応ロディアの創業者兄弟が考えたということになっていますが、それは現在のロディアのメモパッドの原形ということなので、今言うところのブロックメモ、つまり、正方形に近い形の紙を重ねてブロック状にして、端を糊付けしたものとは違うようです。そして、ガイド納富は、その誰が考えたかは分からない、ブロックメモというアイディアはとても凄いなあと思うのです。
メモとしての使いやすさも好きですが、何より、そのデザインの幅の広さというか、デザイナーのアイディアの応える融通性の高さが凄いと思うのです。キューブ状の全ての面に違った模様が印刷できたり、一番上の紙から一番下の紙まで突き通した穴を開けて、そこをペン差しにしたり、全てが付箋紙になっていたりと、様々なブロックメモがあるのが、とても面白いのです。
この、かみの工作所の「BLOCK TRAY」も、そんなブロックメモの面白さを、別のアイディアと結びつけて作られた製品の一つ。1つに50シート、その一枚一枚を、折り線に沿って曲げる事で、デザインされたキレイな紙皿になるのです。
印刷紙器会社とデザイナーの出会いが生んだ紙の可能性
ブロックから一枚剥がして立体物を作る面白さ
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この「BLOCK TRAY」は、コンビニの袋を有効利用できる紙のゴミ箱「trash pot」やノート型クリスマスツリー「snow tree」、折り畳み方を変えると様々な魚の模様になる手拭「ori tenugui」などを手がけたDRILL DESIGNがデザインを担当。4種類の紙を使って、5つのデザインの紙皿、計20種類のラインアップが用意されています。
紙は五条製紙による金属やプラスチックのような質感を持つ特殊加工の紙を使用。反りを防ぐために裏面にビニールコーティングが施されています。その紙の質感も面白いのですが、何よりガイド納富が気に入ったのは、まるで金属の塊に見えるブロックメモ状の直方体から、平面の紙を一枚剥がして、それを折り曲げる事で立体的なトレイになるという、形状変化の面白さです。
色と折り方の組合せで全部で20種類ある
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トレイのデザインも、上手く曲線を使っているので、単に紙を曲げただけのトレイには見えません。金属的な金と銀、プラスチックのような黒(かなり青みがかってキレイです)、ちょっと陶器のようにも見える白と、それぞれに質感の違う紙を用意して、コースターにもなるようなトレイから、深めのもの、形が面白いもの、二つに分かれたようになっているものなど、用途に合わせて5種類の折り方をデザイン。何故か、全種類持っていたくなるようなグッズだと思うのです。
様々な用途に使える日常の七つ道具的アイテム
紙の質感が良いのでおもてなしにも使える
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写真のように、和菓子を置いても上品に決まります。コースターの代りにもなります。金平糖を入れたり、ビールのつまみを入れたりと、ちょっと小皿が欲しい時に、さっと折って机に置く事が出来ます。その便利さと、スピード感、そして変身の面白さは、紙製品ならではの感覚です。
食べ物ばかりでなく、クリップ類を入れてデスクトレイ代りにすることも出来ます。何かを組み立てたり分解している際の、ネジや部品の一時的な置き場所としても重宝します。机の上に常時、使えるトレイが多数用意されているという状態は、ガイド納富も初めての経験だったのですが、これが驚くほど便利なのです。それこそ、小さなものの一時的避難場所から、お茶は飲みたいけど机の上は資料でいっぱいで濡らしたらまずいという際のコースターとして、不意の来客時、夜食にチーズをつまむ時、部品の移動などなど、思った以上に利用範囲が広いのです。
次のページは、紙で出来た本当に見えるめがねとかみの工作展のお知らせです。