地球に、健康に、家計にも厳しい夏のエアコン
日本の伝統でもある「すだれ」や「よしず」を積極的に活用しよう
とくに健康面には注意したいところ。暑い部屋と涼しい部屋を行ったり来たりしていると、激しい環境変化に体がついていきません。エアコンのせいで体調不良になる人も多いので、その利用はほどほどにしておきたいものです。
とはいえ、エアコンの電源を切って、暑いのを我慢するというのも現実的ではないでしょう。それこそ熱中症、脱水症状などを起こしてしまったら大変です。
そんな悩みに対するひとつの答えが、日本の伝統でもある「簾(すだれ)」や「葦簀(よしず)」の利用です。それぞれの特性をうまく活用して、使い分けることにより、家に涼を取り入れることが可能になり、また、エアコンと併用するにしても、窓の外側で日射を遮蔽するなど、うまく使うことでその効きをよくし、電気代も節約することができます。
「簾(すだれ)」と「葦簀(よしず)」の違いは?
すだれは吊るし(左)、よしずは立てかける(右)
一般に「簾(すだれ)」は、軒につるして使い、「葦簀(よしず)」は「簾(すだれ)」よりも大きく、立てかけて使います。海の家などでよく見かけるのが「葦簀(よしず)」です。
最近はいろいろな素材のものがあるようですが、基本的には「簾(すだれ)」は細く割った竹を利用しているのに対し、「葦簀(よしず)」は葦(あし)を使います。2~3メートルほどの葦をシュロ糸で結びつなげて作っています。
ただ、昔は川辺などにある葦を利用していましたが、現在国内での葦の生産量は極端に少なくなってしまい、その大半が中国からの輸入に頼っているとのこと。この辺がちょっと残念なところではあります。
次のページでは、「簾(すだれ)」、「葦簀(よしず)」の具体的な使い方、効果を紹介します。