脳科学・医薬 ガイド 阿部 和穂
あべ かずほ
東京大学薬学部卒業、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員、星薬科大学講師を経て、武蔵野大学薬学部教授。薬学博士。専門は脳科学と医薬。
ガイドからの挨拶
大学の薬学部教授として、「人間のからだのしくみ」(生理学)と「薬が病気に効くしくみ」(薬理学)を教える傍ら、研究室では、記憶のメカニズムや、認知症治療の候補となる新薬を探し求める実験研究に取り組んでいます。
また、長年にわたる研究活動の中で自分の目で確かめた事を世の中に還元したいという思いから、難解そうな脳科学や医薬の話を一般の方にも分かりやすくお伝えして実生活に役立てていただけるような活動にも力を入れています。各種学校や各地自治体での講演活動に加え、新聞や雑誌での連載や記事執筆も行っています。今回、こちらでガイドを務めさせていただくことになったのもその一環です。
脳や薬に関して多くの方が日頃素朴に抱いている疑問に応えながら、みなさんの「知的好奇心をくすぐる」記事をたくさん発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
経歴・バックグラウンド
- 1963年 愛媛県今治市生まれ
- 1982年3月 愛媛県立今治西高等学校 卒業
- 1986年3月 東京大学薬学部 卒業
- 1988年3月 東京大学大学院薬学系研究科修士課程 修了
- 1988~1989年 東京大学薬学部 教務職員
- 1989~2000年 東京大学薬学部 助手
- 1992年 博士号取得(東京大学薬学部、論博)
- 1993~1995年 米国ソーク研究所 博士研究員
- 2000~2004年 星薬科大学 講師
- 2004年~ 武蔵野大学薬学部 教授
私は、静かな瀬戸内の海と温暖な気候に囲まれて、小中高と地元の公立学校でのんびりと過ごしました。ほとんど四国から出たことのなかった田舎者が、高校の先生に勧められたというだけの理由で大学受験のために上京し、今に至っています。自分が知りたいと思ったことを自分の手で確かめて解き明かしていく実験科学の楽しさに惹かれ、気がついたらアカデミアで創薬研究に没頭していました。2年間にわたる海外留学の機会を得て、多くの刺激も受けました。研究所のカフェテリアでランチを食べていたら、DNAの構造解明でノーベル賞を受賞したあの有名なフランシス・クリック博士(当時の研究所長)が隣の席で談笑していたのを目にして、背中がゾクゾクっとしました。30年以上にわたり、自分の好きなことで仕事ができるという幸せを感じています。
また、研究は自己満足で終えてはいけない、好きなことをやらせてもらっている恩返しとして世の中に還元していくべきと私は考えています。教員として大学で学生に教えているのも、その一つです。机上の学問ではなく、自分が実際に確かめたことを学生に伝えるように心がけています。
近年は、大学が運営している一般向けの生涯学習講座や、各地自治体の市民大学などからの依頼を受けて、認知症を中心とした脳科学や医薬の話題をもりこんだ講演も多数行ってきました。新聞や雑誌でのコラム連載や記事執筆にも関わらせていただく機会を得て「文字の力」も実感するようになりました。そして、辿り着いたのがこちらの仕事でした。自分が面白いと思うことをみなさんと共有し合えることを楽しみにしています。
資格
薬剤師、麻薬研究者免許
経営・所属している企業・団体・協会
日本薬理学会学術評議員、日本薬学会会員、日本神経科学会会員など
趣味・特技
スノーボード、テニス、天体観測、植物画
好きなことば・座右の銘
常に前向きに