温泉/甲信越の温泉

貴重な体験。身体に泡が付く温泉がある。

温泉の湯が新鮮でかつ使い方の良い温泉だけが、特殊な体験が出来ます。身体中に湯の中に含有されていた気体成分が気化し、炭酸飲料のコップのように泡だらけになります。この貴重な体験のできる温泉を紹介します。

執筆者:郡司 勇


貴重な体験。身体に泡が付く温泉がある。霧積温泉と韮崎旭温泉



温泉の湯が新鮮でかつ使い方の良い温泉だけが、特殊な体験が出来ます。身体中に湯の中に含有されていた気体成分が気化し、炭酸飲料のコップのように泡だらけになります。この貴重な体験のできる温泉を紹介します。

 

 1 霧積温泉 金湯館


1. 純な石膏泉 39度 総計1822mg 
2. 毎分300リットルの湧出
3. 透明、少苦味少渋味残る 微たまご味、少硫黄臭、石膏臭あり
4. 掛け流し、泡付き多し


霧積1
木造の瀟洒な造り


横川から旧碓氷峠の道に進み、さらに山に入ってゆく温泉。標高1180mと高く、4月17日では、まだ日影には雪が残っていた。引き湯のきりづみ館までの林道は広く整備されているが、金湯館までの道は細く対向車のすれ違いも出来ないほどである。以前は舗装されていなかったが今回は舗装された。


霧積2
冬には氷壁が出来る水車


エントランス前の水車に沢水を引いている樋があり、冬は真っ白な氷壁が出来る。凍りつく水車で有名な金湯館に4回目の訪問をした。木造の古い造りで、本館は明治16年築のままである。2階の部屋は梁が露出した古い構造であるが内装は改築され綺麗になっている。昔のままであったら文化財指定であろう。


霧積3
奇麗な湯であるが硫黄臭がして泡が付く


綺麗な温泉で透明、少苦味、無臭ながら、良く観察すると源泉掛け流しのために新鮮で弱い硫黄と石膏の焦げるような匂いの感触が分かった。


霧積4
掛け流しのヌル湯である


ここの訪問は冬が2回でこのヌル湯に入ると出られない。普通の人だと評価は下がるだろうが、良く観察するとこの温泉の良さが分かる。ほとんど純粋な石膏泉の温泉で、この硫黄臭のある掛け流しの石膏泉は貴重である。特に身体への泡付きがあり今回はテレビカメラが泡付きの状況を撮影した。真っ白になった肌から気泡を取り去ると泡が立ち登る。


霧積5
木の良さが伝わる玄関の素朴な造り


この光景は写真では難しいがテレビならばかなり良く分かるであろう。39度で総計1822mgである。毎分300リットルの湧出で小さな内湯は多量の掛け流しである。ナトリウムと硫酸塩の割合が90%以上の純な石膏泉である。


霧積6
梁の飛び出た古い造りの部屋


また宿のエントランスや部屋の風情も秘湯にふさわしい、古い造りで癒される。木造の古い造りの旅館は廊下がミシミシと鳴ったり、隣の音が筒抜けであったりするが、日頃のコンクリートのマンションに住んでいる私にとっては、旅情を感じるし、懐古の思いにかられる。そのようなことで泊まるのは木造の宿にしている。


 2 霧積温泉 きりづみ館 



1金湯館の引き湯 透明、苦味、無臭 
2硫黄臭はここではすでにないが、石膏泉の個性が際立ってきている
3循環であるが六角形の凝った浴室


きりずみ1
水車のある凝った造りの玄関


金湯館の下にある霧積温泉のもう一つの宿。エントランスに大きな水車があり六角形の浴舎の建築も風情の在るつくりである。金湯館の源泉の引き湯であると分かっていたので今まで入ることなく、今回はじめての訪問となった。


きりずみ2
六角形の内湯は木の縁




六角形の浴室はアーチ窓の付いた石貼りの床の浴室で木枠の浴槽である。良い造りで風情はあるが湯は循環加熱であった。


 きりずみ3
アーチ型の窓と凝った造りの屋根






新鮮な硫黄臭と泡付きはすでに無くなっているが、その分石膏泉の個性がよく分かる。味覚に苦味が増し、透明、苦味、無臭となっていた。


 きりずみ4
もうひとつの内湯は岩風呂






次はさらに強力な泡付きでビロードの湯を紹介 
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