山陰の名湯めぐり1
島根編
山陰の温泉は個性的である。大山や三瓶などの火山活動があるが、古い火山なので酸性泉や硫黄泉ではなく炭酸系の温泉が多い。温度もややヌル目なので炭酸が良く残っている。島根県は海潮温泉や玉造温泉が有名であり、小屋原温泉や池田ラジウム温泉など良い湯があるが、それ以外の温泉地を廻った。
湯の川温泉,みとや深谷温泉,波多温泉,三瓶温泉,薬師湯,亀の湯,千原温泉,潮温泉,泉弘坊温泉,小林鉱泉,湯抱温泉,粕渕温泉,温泉津温泉,小浜温泉のレポート
湯の川温泉 松園 (温泉地再訪)
石膏芒硝泉 掛け流し 以前は湯元湯の川にて入浴
出雲空港からすぐ近くで良いアプローチの温泉。出雲神話で八上姫が入浴したことから川中温泉と竜神温泉と共に三大美人湯とされているのが有名である。
しかし湯はそれほど個性のあるものではなく単純泉の25度であった。93年に「湯元湯の川」で入浴したが透明、無味、無臭のつるつるの湯と記録されていた。
今回の松園では硫酸塩泉で平成9年の分析では、47.9度のPH8.4 食塩や石膏を含む芒硝泉(NaCa-SO4、Cl)で総計1447mgである。
総御影の内湯にきれいな湯が掛け流しになっていた。透明、石膏味、無臭でつるつるは無しであった。別棟に高床式の茅葺きの一棟があり一組の客だけのために用意されている。
またここの宿は古代食で有名である。素焼きの土器の皿や高ツキに赤米、キビ、粟などが盛られ饗される。
2みとや深谷温泉 ふかたに荘 (再訪)
純な石膏泉、循環 カラン自在
つい最近訪問したが、良い記憶があり再訪してみた。
三刀屋町の山の中にある小さな入浴施設である。16.9度の石膏泉で源泉が玄関前に垂流されている。以前純粋な石膏泉のデータを調べてランキングをしたときベスト10内に入っていたものである。
総計2141mgの温泉である。HS 0.4やH2S 0.2も含有されているが感知できなかった。透明、石膏味、少金気臭と記録した。循環加熱であるが鉱泉のため源泉カランが自在であるので善しとしたい。
3波多温泉 満寿の湯
透明、少苦味、無臭 循環
島根県の掛合町に新設された町営の温泉施設。和風の瀟洒な建築で屋根には雪が積もっていた。
26.5度の芒硝石膏泉で総計2082mgという温泉である。平成14年にオープンしたばかりである、御影石の内湯のみであるが循環が残念である。透明、少苦味、無臭と記録した。
4三瓶温泉 薬師湯(旧鶴の湯) (再訪)
掛け流し ヌル湯 12年ぶりであったが変っていなかった。
温泉巡りは本日の佳境に入ってきた。三瓶や千原の再訪が今回の温泉巡りの主目的である。まず三瓶志学温泉薬師湯に再訪した。
民芸調の白壁となまこ壁を模した造りの瀟洒な外観は以前のままであった。湯の掛け流し量と褐色の色の記憶だけが強く感触の記憶が無くなっている。
38.5度の食塩泉で溶存総計約2150mgほどである。冬は浴槽内で弱く加熱しているが掛け流しが多いので新鮮さは全く問題ない。冬以外はヌル湯の源泉そのままであると記述され、良さそうだなあと思う。
味覚は渋味が一番際だっているが、薄いので記憶から消えていたのであろう。茶褐色、渋味+少塩味、少土類臭であった。鉄分が5.3mg含有され茶色に濁っている。
源泉は湯元旅館の近くで湧出し総量は毎分2000リットル以上である。湯元旅館に行ってみたが不在であった。しかし湯元旅館用の湯が道路の除雪用に流されており湯量豊富な温泉である。