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美味すぎて幽閉された宮廷女官

パティシエは今も昔もスターと思っていたら大間違い。イギリスには、おいしいお菓子を造ったがために、幽閉されてしまったメイドがいたのです。イギリスを代表するお菓子の秘話をご紹介します。

執筆者:平良 淳

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国王に幽閉されたメイド

Fruit
コッツワルドを彷彿とさせる、いかにもイングリッシュという感じのティーハウス。
Original Maids of Honour
住所 : 288 Kew Road Kew Garden Surry TW9 3DU
Tel : 020 8940 2752
営業時間 : 月 9:30 ~ 13:00、火~土 9:30 ~ 18:00 (営業時間が短いので注意!)
最寄駅 : Kew Garden
キューガーデンのヴィクトリア・ゲートから歩いて約 5 分ほどのところに、カントリーコテージ風の小さなカフェが右側に見えてきます。一見地味なこのカフェ、実は、ロンドンでも有名な老舗のカフェなのです。この店を有名にしているのは、“メイド・オブ・オナー”と言う小さなケーキ。でも、この小さなお菓子には、イギリスならではの秘話があるのです。

お店の言い伝えによると、16 世紀の暴君、国王ヘンリー 8 世は大そうこのケーキを気に入り、その製法が外に出ることがないようにと命令したのだそうです。それで、そのレシピは鉄の箱に収められ、リッチモンド宮殿に保管。おまけに、このお菓子を発明したメイドまでもが宮殿に幽閉されて、生涯、王や王族のためだけにケーキを焼くことになったのだそうです。言い伝えですので、真相は定かでありませんが、妃や側近を容赦なく処刑していたヘンリー 8 世にまつわる逸話ですので、ありえるかも。

飾り気のない素朴なお菓子

maids of honour
えっ?と思ってしまうくらい、シンプルなペイストリー、メイド・オブ・オナー。
1.90 ポンド (持ち帰り : 1.30. ポンド)
その門外不出のレシピを受け継ぐお店が、「Original Maids of Honour (元祖メイド・オブ・オナー)」。現在も頑なに一族だけでその伝統と秘密を守り続けており、お店で働いている人に、「ちょっとだけでいいから材料を教えて」と聞いたところ、自分たちでも知らないとの返事でした。

メイド・オブ・オナーの造りはいたってシンプルで、絹の布を幾重にも重ねたようなパフペイストリーの壁の内側に、バターシロップをかけ、中央に秘密のミルクで作ったカスタードが置かれているだけです。でも、一口頬張れば、なぜメイドが幽閉されたという逸話まで残っているのかが理解できます。サクサクのパフペイストリーと、バターシロップのしっとり感がマッチしたバランス感覚。そして、最後に口の中でとろけるカスタードの上品な甘さ。なんの装飾もない、シンプルな見た目からは想像もつかないほどの満足感が残る、不思議なお菓子なのです。

定評のあるスコーンもまた美味

Fruit
スポードのブルー&ホワイトでいただくティーは格別
スコーン 2 個 : 1.65 ポンド (持ち帰り : 1 個 48 ペンス)
ティーセット : 6.25 ポンド
ポット入り紅茶、スコーン 2 個、クロテッドクリーム (もちろんデヴォンシャー!)、苺ジャム&バター、メイド・オブ・オナーまたはクリームケーキ
ティーセットは 2:30 pm ~ 5:30 pm のみ
このお店は、スコーンが美味しいことでも定評があります。スコーンのレシピも秘伝とのことですが、まったりとした食感が絶妙で、ロンドンの数あるカフェ、ベイカリーなどでガイドが食べたスコーンの中でも、一番のお気に入りです。また、“美味しいものは良い器で頂く”ということでしょうか、イギリスの高級チャイナ、スポードのブルー&ホワイトを使用しているところが、いかにもイギリス的で品の良さが伺えます。

世界遺産のキューガーデンを見学後に一休みしたい、というときは、ぜひこのお菓子を試してみてください。楽しい旅の思い出になると思います。それでは、次回まで、ロンドンからアンニョ~ン!

更新日:2005年10月31日

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