ロンドンの観光・エンターテインメント

更新日:2005年05月14日

小劇場から大劇場へ イギリスのフリンジ劇場の魅力

ロンドンのエンターテイメントというとミュージカルやシェイクスピアが有名ですが、フリンジと呼ばれる小劇場の活動も活発です。今回は、フリンジシアターの魅力についてご紹介します。

文章:平良 淳(All About「イギリス」旧ガイド)

ロンドンというとミュージカルやシェイクスピアが有名ですが、フリンジと呼ばれる小劇場の活動も活発です。フリンジ劇場はパブの一部や倉庫などを改造した、100 席程度のところが多く、独特の熱気があります。手を伸ばせば届いてしまいそうな距離にいる俳優たちが、椅子とテーブルという変哲もない簡単な道具を動かしながら繰り広げる世界に、見ているうちにいつの間にか引き込まれてしまう、そんな演じる側と見る側との一体感が、フリンジの一番の魅力です。

フリンジ劇場からウエストエンドへ

King's Head Theatre
King's Head Theatre
115 Upper Street Islington London N1
10 年ほど前、King's Head Theatre というロンドン北部にあるフリンジ劇場で Burning Blue という作品を観たことがあります。これは、DMW Greer という、無名のアメリカ人作家が自らの体験をもとに書いた作品で、ゲイの海軍パイロットが軍隊で魔女狩りに遭うという内容です。批評のなかには、当時のクリントン政権が同性愛者の入隊を解禁したことと結びつける向きもありましたが、そうした政治的背景はさておき、演劇自体はほろ苦いメロドラマとして素直に感動できる作品に仕上げられていて、会場の雰囲気は格別でした。

この舞台はフリンジでは珍しく予約が必要な状態となり、King's Head での公演終了後は、ウエストエンドにある Theatre Royal Haymarket で上演されました。こちらは 900 席近くの大劇場です。その後も他の劇場で公演が続行され、その年の Olivier 賞 (セットデザイン賞と照明賞) も受賞しました。

その後も世界各地で上演されたこの作品がアメリカに逆輸入されたのは、ほんの 2 年前のことです。それも、ウエストエンドでの実績と主演のチャド・ロー (ロブ・ロウの弟) を PR に最大限に宣伝してのことです。そのことを考えると、アメリカでの公演にこだわっていたら、この作品が日の目を見ることは恐らくなかったと思います。

フリンジの公演は玉石混淆で、はずれの場合も多いのですが、商業的なことだけを考えていては上演されないような作品に、イギリスのフリンジでは機会が与えられ、私たちもそれを観ることができるということに大きな意味があると思います。

フリンジ公演の詳細は TimeOut などの情報誌の Fringe というカテゴリで手に入れることができます。入場料は 10 ~ 15 ポンド程度です。みなさんもロンドンでしか観られない作品をぜひ堪能してください。

【関連リンク】
フリンジ劇場情報 : フリンジ劇場をいくつかピックアップしてみました。 
FRINGE & OTHER LONDON LISTINGS : ロンドンのフリンジ劇場の一覧。チケットを販売する Lashmars Theatre Tickets のサイトから。

(執筆者:平良 淳)

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この記事の担当ガイド

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朝霧 まや

ロンドン在住歴13年。ロンドン大学大学院を卒業後、現地日系メディアに勤務。母校である上智大学の同窓会…

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