ソウルの観光・世界遺産

更新日:2006年05月24日

ソウルに復活した憩いの場・清渓川を歩いて

昨年、ソウルの中心部に50年ぶりに復元された清渓川はソウルの新名所、市民の憩いの場として親しまれています。大都市として機能するソウルの中心に自然と人の共存を目指して復元された清渓川をご紹介します。

文章:原 美和子(All About「韓国」旧ガイド)

ソウルに復活した新たな市民の憩いの場

ライトアップされた夕暮れの清渓川 ©韓国観光公社
都会ではなかなか「憩いの場」というものを見つけるのが難しいと思いますが、1980年代の韓国の高度成長期以降、韓国都市部では環境破壊による汚染や公害が深刻でした。しかし、近年、ソウル市庁舎前の広場の改修工事などをはじめ市民や観光客がくつろげる場を造ることに力を入れるようになっています。ソウルには長年に渡って地下で眠っていた清渓川(チョゲチョン)という川がありましたが、2005年10月に約30年の時を経てソウル中心部に蘇ったのです。今や清渓川はソウルの新しい憩いの場として脚光を集めています。今回は、都会でありながら、ちょっとのんびりと散策を楽しみたい方のために清渓川の歴史やオススメについてお届けします。

清渓川の歴史と復元まで

週末や休日には多くの人で賑わう清渓川 ©韓国観光公社
2005年10月の清渓川復元当時はその姿を一目見ようと各地から多くの人が一度に訪れ、川沿いの遊歩道には立ち入りの制限がされた程。現在では、落ち着きを取り戻した清渓川ではありますが、それでも、週末や休日ともなると家族連れやカップルなど多くの人で賑わいます。ソウルっ子達からも運動や憩い、娯楽の場として親しまれている清渓川ですが、復元を遂げるまでには苦い歴史もありました。

もともと、清渓川はソウル中心部を流れる全長約8Kmの河川として、ソウルを南北に分ける川・漢江(ハンガン)と並んで親しまれて来ました。古くは李氏朝鮮時代より、商業や文化の要所として栄えてきたのですが、1960年以降、生活排水による水質汚染などが深刻となり、清渓川周辺の環境も主要道路や高層ビルの建設ラッシュなどで大きく変化しました。このことから、1970年代後半には、道路の拡張などにも伴い、清渓川は地中に埋められることとなり、その姿を地上から消しました。

急激な経済成長や環境の変化によって、地下に埋められ、忘れられたかのように思われた清渓川でしたが、結局、2002年のソウル市長選で「清渓川の復元」という公約を掲げて当選したイ・ミョンパク市長の意向により清渓川の復元と整備が実現したという訳です。一度は地中に埋められた河川を再び地上に蘇らせるという前例を見ない工事は注目を集め、市民に見守られながら約3年をかけて復元を果たしました。

【関連情報】
  • ソウル市庁公式サイト・清渓川


  • 観光ポイントを楽しみながら散策も

    ソウルの中心部・高層ビル群の間を流れる清渓川 ©韓国観光公社
    清渓川には全部で22の橋が架けられています。このうち12の橋は歩行者専用となっているので、車の心配もなく安心です。今回の復元では、約5.8Kmの部分が整備・復元されましたが、ソウル市では、国内外の観光客にも都会でゆっくりと散策ができるコースが整備されていたり、夕刻には橋が美しくライトアップされるなど、清渓川の良さを知ってもらおうとPRに務めています。

    ソウル市が提案しているオススメ清渓川観光コース(徒歩)は、ソウル市庁近くにある清渓広場を起点に東大門付近にある五間水橋までのコースと、清渓川の歴史や資料を集めた清渓川文化館を出発点に、やはり五間水橋までのコース。いずれも距離は2.9Kmで所要時間は約3時間。観光では、事前にオンラインによる申し込みをしておけば、日本語ガイドも同行します。観光名所も見学しつつ、清渓川の景観も楽しめるというコース、歩くことが好きな方、パッケージツアーのバス観光とは違った観光をしてみたい方にはオススメです。

    また、東大門市場や、明洞のロッテ百貨店などショッピングスポットからも近いので、買い物の後などに息抜きに訪れるのもいいかもしれません。ソウルというエネルギッシュな都会の中で、見事に蘇った清渓川。皆さんもちょっと足を延ばして楽しんで見てはいかがですか?

    【関連情報】
  • ソウル市庁公式サイト・清渓川
  • (徒歩観光コースの案内・申し込みなどについては、清渓川ツアーのページにあります。)
  • ソウルナビ・清渓川特集
  • (執筆者:原 美和子)

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    松田 カノン

    韓国、ソウル在住。フリーランスのライター兼コーディネイターとして韓国の文化・エンターテインメント・グ…

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