沖縄の観光・旅行/沖縄の離島

浜比嘉島 ?神々が住んだ島

浜比嘉島は決して有名な観光地ではありませんが、神々が住む神秘の島にふさわしく、集落のたたずまいにも昔沖縄の風情がたっぷりと残っています。心も身体も安らぐ不思議な島なのです。

執筆者:鈴木 雅子


【1ページ】琉球開びゃく神話「アマミキヨとシネリキヨ」
【2ページ】浜比嘉島で遊ぶ(散策・ビーチ・釣り)
【3ページ】浜比嘉島で泊まる・食べる・イベント



■アマミキヨとシネリキヨ

樹齢が想像できない浜比嘉の巨木天から琉球を見下ろしたらね、琉球はまだちゃんとした陸地になっていなかったんだって。東の風が吹いたら東の波で覆われ、西の風が吹いたら西の波に覆われていたんだって。

アマミキヨとシネリキヨの兄妹がこれを眺めていたら「あんたたちが石と土を持っていけば立派な島になるよ。降りて行きなさい」と、天の神が言いました。

2人は降りてゆき、立派な島を作りました。次に天の神から草木をもらって人が住めるようにしました。だけど島には人がいない。そこで2人は結婚し、3人の男の子と2人の女の子をもうけました。

長男は王に、次男は按司に、そして三男を百姓になり、長女は女神官の聞得大君に、二女は村の神に仕える女神官になりました。

こうして、琉球の歴史が始まったんだって。


海中道路から浜比嘉島を見る日本のイザナギ・イザナミ神話と同じく、琉球の国づくり神話にまつわる伝説の地が沖縄各地に残っています。沖縄本島勝連町の浜比嘉島もその1つ。

この島には浜集落と比嘉集落があることから浜比嘉島と呼ばれています。現在は離島架橋で結ばれ、車で気軽に行くことができます。

【シルミチュー霊場】

シルミチュー霊場の石段アマミキヨとシネリキヨの居住跡といわれるのがシルミチュー霊場です。比嘉集落の南端にあります。

シルミチューの語源はシディーン(生まれる)とチュ(人)らしく、神がこの洞窟で子孫をもうけたことからシルミチューと呼ばれるようになったと言います。

洞窟内には女性を象徴した鍾乳石があり、子宝の願かけを行う拝所としても知られています。神秘的で静寂な自然景観(写真下)です。昔の人が、ここを神の住む場所として崇めた気持ちがわかります。

子宝願掛けをするシルミチュー霊場の祠【アマンジ】

海中道路から浜比嘉大橋を渡り比嘉集落に行くと、アマンジ(別名・アマミチュー墓・アマミキヨ墓)と呼ばれる海に突き出した小島があります。ここには、琉球の祖神アマミキヨ、シネリキヨの二神をはじめとする神々が祀られています。

いまも、無病息災、子孫繁栄の神として島の人たちにあがめられているんですよ。

ところで、天から、あるいは東方の海の彼方(ニライカナイ)から来たと言われているアマミキヨですが、一方でアマミキヨとはアマミンチュー・アマンチューが転じたもの、すなわち奄美人を指し、北から文化をもってきた渡来人という説もあります。


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