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映画『小さき勇者たち~ガメラ』

両爬映画レビュー記事の第2弾です。今回はカメ関係で2006GWのビッグタイトル『小さき勇者たち~ガメラ』です!実は星野が特撮オタクであることも判明...(C)2006「小さき勇者たち~ガメラ~」制作委員会

執筆者:星野 一三雄

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!

さて、奇作「トカゲ女」のレビュー記事が、なかなか好評だった、というよりも自分で書いていて楽しかった星野が、調子に乗ってまたもや映画のレビューです。

今度は、きっと大丈夫って感じの両爬関連映画「小さき勇者たち~ガメラ」を観に行ってきました!

さて、先にお断りしておきますが、私星野は正々堂々「特撮オタク」であります。はい。ですから、今回のガメラも、ただ単に「リクガメが出てくるから、観ておくか」なんて、いい加減な気持ちではなく「久しぶりの特撮映画だ。ドキドキワクワク」って感じに大いに期待して観に行ったわけです。ですから「トカゲ女」とは違って、かなり皆様が引いてしまうようなハマり方で記事を書いちゃうかもです。
©2006「小さき勇者たち~ガメラ~」制作委員会

『小さき勇者たち~ガメラ』
2006年4月29日[土]~全国ロードショー
監督:田崎竜太
出演:富岡涼、夏帆、津田寛治ほか
2006年/96分/製作:「小さき勇者たち~ガメラ」制作委員会 制作プロダクション:角川ヘラルド映画 配給:松竹
公式サイト:http://www.gamera.jp/


映画『小さき勇者たち~ガメラ』あらすじ

33年前の伊勢志摩地方。静かで美しい小さな漁村はパニックに陥っていた。住民たちの目の前で、まさしくギャオスとガメラの死闘が繰り広げられていたのである。激しい戦いの幕引きはギャオスを道連れにしたガメラの自爆だった。
そして、33年後の三重県志摩市。町で小さいながらも繁盛している食堂の一人息子である相沢透(富岡涼)は事故で母を失ったショックの中、島で小さな卵を拾う。透の目の前で卵は孵り、小さなカメが生まれた。透はカメを「トト」と名付け、家に持ち帰る。
しかし「トト」は急激に成長し、透の目の前でフワフワと宙に浮く。
次第に大きくなって行く「トト」は、透たちの隠れ家である廃屋で飼われるが、突然姿を消してしまう。さらに「トト」を探す透たちの町に突然、凶暴な怪獣「ジーダス」が姿を現し町を破壊し、人間を襲う。そして、透と父親・孝介(津田寛治)がジーダスに襲われそうになった、その時8mにも成長した「トト」が「ガメラ」になってジーダスに挑みかかる...

一特撮オタクとして

さて、今回のガメラは生誕40周年記念作品ということで期待をしていたのですが、予告などを見ていると、かなりの不安がありました。子どもを主役に立てて、大人の涙を誘うことに主眼を置いた映画色が強そうで、何よりも主役であるガメラの造形が「おいおいデ○ズニーかよ」と言いたくなってしまいそうになるくらい子ども向けか、と。

オタク臭をプンプンさせてしまうことを書くようですが、ちょっとこれまでのガメラ映画に関して、簡単にご紹介しておきましょう。そちらの方が、今回の映画の見どころがわかりますので。

「ガメラ」映画の歴史は1965年(昭和40年)に大映が製作した「大怪獣ガメラ」からスタートします。
当時は東宝の「ゴジラ」映画が全盛の時代でしたので、ガメラはゴジラのライバルとして作られました。ゴジラ同様にガメラも第一作は単体で登場し、人々を恐怖のどん底に叩き落とす恐怖の大怪獣というキャラクターでした。モノクロ画像が良い雰囲気を醸し出していることも特筆です。
ここからスタートしたガメラは、その後1980年(昭和55年)の「宇宙怪獣ガメラ」まで計8作が製作され、公開されました。その間にガメラは「人類(特に子供)の味方」の「正義の大怪獣」としてのキャラクターが確立され、ストーリーも子供向けになっていきました。そして時代の流れから貧相でちゃちな特撮技術で作られるようになり、多くの特撮ファンはガメラ映画から離れていってしまいました。

ところが1985年(昭和59年)に、ゴジラ映画が復活しました(いわゆる「平成ゴジラ」)。ゴジラもガメラ同様に、特撮映画としての魅力を失って1975年(昭和50年)の「メカゴジラの逆襲」を最後に深い眠りについていたのですが、平成ゴジラシリーズはあくまでもリアリティを追求し、高いレベルの特撮映画になっていたのです。
ガメラファンもそれに刺激され「ガメラ復活」が期待されるようになりました。

そんなファンの声によって、ついにゴジラに遅れること1995年(平成7年)にガメラがスクリーンに帰ってきました。しかしファンを不安にさせたのは、昭和ガメラの幼さや安っぽさを彷彿させる「大怪獣空中決戦」というタイトルと宣伝用のポスターです。
しかし、そんな不安は消し飛びました。リアリティはともかく、ライバルのゴジラを越える強烈なカメラワークと特撮技術を引っさげてガメラは帰ってきたのでした。とにかく、私は最初にこれを観た時は仰天しました。「日本もまた特撮映画大国になるのかなぁ...」と。
このあと、平成ガメラは「レギオン襲来」「邪神<イリス>覚醒」の計3作を1999年までに世に送り出し、また眠りについたのです。
今回のガメラ
©2006「小さき勇者たち~ガメラ~」制作委員会

そして、いよいよ7年ぶりにガメラがスクリーンに戻ってきたのが、今回の「小さき勇者たち~ガメラ」であるのです。
さて、今回のガメラはどんな映画だったんでしょう...

結論

はい。また裏切られました。もちろん「イイ意味」で。一言で表現するのならば「おもしろい映画だから観に行って損しない」です。あるいはガメラファンのための表現とするなら「高い特撮技術とリアリティのある昭和ガメラ」という感じでしょうか。

ちょっと簡単にまとめてみましょう。ネタバレにならない程度に。
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