都会的でおしゃれなフレンチブル(3ページ目)

ところで私が初めてフレンチブルドッグを見たのは９年前。
母の友人で画家であり彫刻家の宮下芳子さんが長年住み慣れたパリから連れ帰ってこられたゼノンくんと対面したときでした。そのときゼノンくんは７歳。今まで会ったどの犬とも違った雰囲気を持つ、このインパクトの強い犬種に強く惹かれた私は、以来フレンチブルの大ファンになりました。

★絵のそばでくつろぐゼノン

人なつこくてもの静か、独特の体型なのにどこか洗練されていて、まさにフランスの犬という感じ。彼はいま日本でよく見かけるような小ぶりなフレンチブルではなく、筋肉質で骨太でがっちりとした体格。宮下さんはパリでこの犬の存在を知り一目惚れしてすぐにブリーダーを探し、ゼノンくんを買われたのだそうです（フランスでは仔犬は専門のブリーダーさんから入手するのが当たり前）。

フレンチブルの愛好家にはアーティストが多く、なかでもイブ・サンローランが大のフレンチブルファンなことは有名。愛犬のMoujikくんのために飛行機のファーストクラスを１席分予約するほどのご執心ぶりだったそうです。そんなゼノンくんも11歳のときに天国に旅立ってしまいましたが、彼の面影は今も私の心の中に強く、強く焼き付いています。

■The Art of Yoshiko Miyashita