夫婦関係/夫婦円満のコツ

話し合いができない妻など……今ドキ夫婦の会話術!

「うちの妻は、話し合おうとするとすぐにキレて、話し合いが出来ない」。こんな不満が旦那様から聞こえることも。今回は夫婦の会話の「症状」と「処方箋」例で、夫婦の会話危機を考えます。ぜひ参考にして、コミュニケーション力の高い妻を目指してみてくださいね。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

話し合いができない妻? イマドキ夫婦の危機的コミュニケーション

話し合いができない妻の対処法

夫婦の会話は豊かですか?

私の主宰している「恋人・夫婦仲相談所」には、日々たくさんの夫婦の悩み事が寄せられ、それを通じて、さまざまな夫婦関係が垣間見えることがよくあります。その中で最近、特に気になるのが夫婦の会話のこと。

特に若いご夫婦には
「家に居ても二人で別々のTVを見たり、ゲームしていて会話がない」
「話し合おうとするとすぐにヒステリックにキレて、話し合いが出来ない」
「何かを間違ったり、知らなかったりするとすごくキツイ言葉で罵倒される」
「口うるさくて話をしたくない」

などの事例が少なくありません。夫婦のコミュニケーションの基本である「会話」が、どうもうまく交わされていないようなのです。

そこで、今回はよくある夫婦の会話の具体的な「症状」を参照しつつ、それに対する妻への「処方箋」を考えてみましょう。
 
<目次>

症状1:「自分ひとりで空回り妻」

だんな様のごろ寝のサインに気がついて

だんな様のごろ寝のサインに気がついて

最近特に帰りが遅く、帰宅は23時過ぎの夫。夕食も「この時間に食うと太るから」と家ではほとんど食べない。帰ってきてスーツを脱ぐと、缶ビールを持ってまずはTVの前へ。プロ野球ニュースをボーっと眺めてごろごろ。時々そのままうたた寝したりしている。

「最近そんなに忙しいの?」とか「先にお風呂に入れば?」と私が声を掛けても、うわの空で「うーん……」とあいまいな返事だけ。大体家に帰ってきてから、まともに夫からは話しかけても来ないじゃない。私や子どもの様子が気にならないのかしら。話しかけてこないってことはもう興味も無いし、愛情も冷めたってことなのね……。
 

▼処方箋

まずこの妻が失敗している点は、帰宅したときのだんな様の状態をよく理解してないという点です。「男は家を出れば7人の敵がいる」などといいますが、仕事の場ではやはり周囲に気を遣い、ライバルと戦い、それなりに気持ちが張った状態で過ごしています。そして家に帰ったらその緊張をほぐして、とにかくリラックスしたい、ストレス解消をしたいというのが一番の欲求です。

女性は誰かとおしゃべりをしてストレス解消をしたりしますが、男性の場合はひとりになり、自分の時間を楽しむことでストレスを解消する傾向があります。帰宅後TVに向かうという行為は、「ひとりになって、ストレスを解消したい」というサインでもあります。このようなときに妻が自分の都合で話しかけても、夫にとっては迷惑なだけです。

また、「話しかけない=愛情がない」とは違います。女性にとって会話の量は親密度を測る重要なバロメーターになります。ですから女性同士の間では「髪形変えた?」「最近どう?」など、親しい相手には別に用事がなくても会話を交わし、お互いのつながりを確認しあう行為が見られます。

しかし男性にとって、基本的に会話は用事があるからするものであって、つながりを確認しあう手段ではありません。従って「話しかけないことは愛情がないサインだ」と一概には言えませんので、そんなことで不安になる必要はありません。

症状2:「話し合いの意味の違いを理解できない妻」

男女の話し合いのスタイルが違うことを理解しないと、すれ違いに・・・

男女の話し合いのスタイルが違うことを理解しないと、すれ違いに……

こちらから話しかけても、TVを眺めたまま、上の空の夫。でも、ずいぶん前に「検討しよう」とそのままになっていた長男の塾選びの話、今日こそ話し合わなきゃ。

「ねぇ、○男の塾の話なんだけど。」
「ん……え?」
「どうする?もう決めなきゃ。」
「ん~そうだなぁ……任せるよ。」
「えー、そんな無責任じゃない。検討しようって言ってたじゃない。」
「ん~今決めないとダメなのか?」
「だって、あなた毎日遅くて、話なんか出来ないじゃない。こっちはずっと話そうと準備してるのに。大体、いつも帰ってくるとお風呂にも入らないでソファーでうたた寝してるし、TVなんか見ないでお風呂に入ればいいのよ。それに、TVと息子のどっちが大事なの?」

一気にまくし立てると夫は、疲れた顔で仕方なさそうにふりむき、大きくため息をついた。

「わかった。じゃあ今決めよう。で、どこがいいと君は考えているんだ?」
「だからそれを話し合おうって……」
「話し合いだから意見を聞いてるんだろ?君の考えを聞かせてくれよ」
「だから、これから一緒に検討するんでしょ」
「意見がなければ話し合いにならないだろ」

こんな言い合いで時間は過ぎていく。本当は一緒にパンフレットを見ていろいろ話がしたいのに……。
 

▼処方箋

「ひとりになりたい」サインを出している夫にしつこく声を掛け、さらに相手の行動に対する批判までまくし立てては、だんな様が話し合おうという気になるわけがありません。何か話し合いたいことがあるときは話題を持ち出すタイミングを上手に計ることが大事です。

急ぎでない用件は週末に回したり、あるいは朝の頭がスッキリしている時に相談したりするのもいい方法です。また、「相談したいことがあるんだけど、今、話をしてもいい?」と相手の都合を最初に聞いてから話を始めることも大切です。妻にとっては単なる暇つぶしにしか見えないTV視聴も、だんな様にとっては貴重なプライベートタイムなのですから。

また、話し合いの前には、自分の意見をある程度まとめておきましょう。女性にとっては話し合いというのはその課程が重要で、話し合いの中でいろいろ検討し、揺れ動きながら自分の意見がまとまってくることも珍しくありません。しかし男性にとって話し合いは決着をつける場ですから、過程は重要視されません。最初から意見をぶつけ合い、ストレートに結論を出すことに向かいます。

そんな男女の話し合いのスタイルの違いを知っておくと、スムーズに話し合いが出来ますよ。

症状3:「一言多い、指導員妻」

ドライブでは、じっと事態を見守るのも妻の役目

ドライブでは、じっと事態を見守るのも妻の役目

普段から「運転上手で方向感覚バツグン」なのが自慢の夫。地図を読むのが苦手で、カーナビがあっても道に迷ってしまう私は、いつも夫に「絶望的な方向音痴だな」とからかわれている。そんな夫が今日、珍しく道に迷った。

車であるイベントを見に行ったところ、混雑を避けるため、街中への車の乗り入れが禁止されていた。目的地のはるか手前で「ここから先は通行できません」と迂回路にまわされてしまった。夫にとってももちろん初めての場所で、目的地への正しい道が見つからない。普段は自信たっぷりの夫もちょっとあせっているみたい。

「いつも私のことを馬鹿にするけど、あなたも迷ってるじゃない。」とちょっとからかって、普段のリベンジをしたつもりになったけど、イベントの始まる時間が迫っているので、助手席の私も気が気ではない。

「そっちは違うと思うんだけど」
「さっきもこの交差点通ったよね。覚えてない?」
「わたしが運転しようか?」
「ねぇ、さっきのところに戻って、誘導員に聞いた方がいいんじゃない?」
「その辺の歩いている人に聞こうか?あなたが話しかけにくいなら、私が降りて聞いて来ようか?」

夫を助けたくて、いろいろ提案しているのに、夫は返事もせずにますます不機嫌な表情に。どうして……?
 

▼処方箋

男性はプライドの高い生き物です。特に地図を読むことやドライブ技術に関しては、絶対に妻より自分の方が上手だと言う自信を持っています。ですから、「道に迷ってしまった」という時点で、かなりプライドが傷つき、頭の中では必死になってこの状況を解決しようとしています。

ところがこの妻の場合、まず、「あなたもやっぱり迷ってるじゃない」と口にした時点で、傷ついただんな様の傷口に塩を塗りつけています。まぁ普段、からかわれている分のお返しなので、これぐらいの一言は目をつぶるとしても、そのあとがいけません。

「そっちは違う」とだんな様の判断に異論を唱えたり、「通ったのを覚えてないの?」とあざけったり、「運転を代わろうか」とあなたには任せられないと主張したり、夫の傷口にこれでもかと塩を重ねぬりしています。さらに「道を人に聞く」というのは男性にとって「降参」「敗北」を意味します。自分で聞くのも屈辱ですし、妻を聞かせに行くのも男性にとっては耐え難いこと。良かれと思って行った妻の発言が、ますますだんな様を追い込んでしまったわけです。

こんな時、妻としてベストの対応は口を挟まず、黙って座っていること。そして、「あなたならきっと解決できるわ」という信頼のこもった視線で、温かく見守ってあげることです。口を挟みたくても、グッと我慢。どうしても「あなたもやっぱり迷ったじゃない」と小さなリベンジを言いたければ、正しい道が見つかり、「よかったわ。すごいわ、さすがに方向感覚がいいわね。」と一通りほめたあとで、冗談っぽく笑顔で突っ込みましょう。

事態が解決できた後の、ゆとりのある心理状態ならば、だんな様も、苦笑しながら受け止めてくれると思います。

時には沈黙が夫を支える力になります。「ついつい、一言多くなってしまう」「相手を指導する調子になってしまう」という方は、グッと発言をこらえ、信頼のこもった目でだんな様を優しく見守ってあげてくださいね。

症状4:「負けず嫌い妻」

男性の『指導欲』を上手に満たしてあげるのも妻のテクニック

男性の『指導欲』を上手に満たしてあげるのも妻のテクニック

小学校のPTA、会計係を引き受けたのはいいけれど、エクセルって苦手……。でも明日の月曜に報告会があるから、今晩中に仕上げなきゃ。ひとつひとつデータを入力している私の手元を覗き込んできた夫。

「えっ?全部手で打ってるの?何でそんな無駄なことしてるんだ?関数使えばそんなの一発で入力できるのに」という言葉に、思わずカチンと来る私。

「『何で』って言ったって、関数を知らないからに決まってるじゃない!」と思わず言い返してしまう。

「何だ、知らないのか。じゃあ、関数教えてあげるよ。そんなやり方じゃ朝までやっても終わらないよ。」
「別に教えてもらわなくてもいいわ。この方がひとつずつ確認しながら入力できるし。」
「ふーん、じゃあ自力でがんばりな!」

夫はプイっとリビングを出て行ってしまった。折角二人でゆっくりできる週末のはずなのに、こんなことでケンカ……。
 

▼処方箋

男性は教えたり指導することが大好き。この場合も、悪気がなく妻のやり方に驚き、ただ良い方法を教えてあげようとした例だと考えられます。しかし、エクセルに悪戦苦闘している妻からすれば、馬鹿にされているような感じがしてつい、意地を張ってしまったようです。

何事も完璧な「デキル妻」ももちろんいいですが、男性にとっては、自分がちょっと優位に立てるところがある「隙のある妻」をかわいらしく感じるもの。たまにはちょっと弱みを見せて「教えて~」と持ちかけ、だんな様の「指導欲」を満たしてあげるのも、賢い妻のテクニックです。

夫の得意な分野の時、また周囲の人に注目されている時など、場を見て上手にだんな様をたててあげることで、夫婦の会話も楽しい方向に弾んでいきますよ。

症状5:「家庭内メール妻」

一緒に歩いて出かけるだけでも、会話は広がります

一緒に歩いて出かけるだけでも、会話は広がります

私たちは元々プライバシーを重視する夫婦で、お互いのすることに干渉しないようにしている。夫も物静かなタイプで趣味はゲーム。私はゲームには一切興味が無いので、夫がどんなゲームをしているのか見たことも無いし、尋ねたことも無い。夫も私が興味を示さないのでゲームの話を自分からすることもない。

夫婦で一致する趣味がなく、見たいTV番組も違うから、同じ時間帯に別の部屋でそれぞれが別の番組を見ていることも……。一緒にTV を見るのは食事の時ぐらいかな。といっても、沈黙が気詰まりだから、TVの音を出しているだけで、別に一緒に見ているわけじゃない。

夫からは話しかけないし、こちらからも話題がないから、TVがなかったらきっとお通夜みたいになるかも。二人とも働いているので家事は半分ずつに分けて交代制。明日の「燃えるごみ」を忘れないように、夫に言っておかなきゃ。ゲームの邪魔にならないように携帯にメールを入れておこう。
 

▼処方箋

最近では職場の隣の席同士でも、直接会話をせずに、メールを送りあってコミュニケーションをすることが少なくないようです。もちろん、メールなら仕事上の依頼事項や報告事項などが文字で残りますので、あとあと「言った/言わない」の論争を避けるためには良い方法なのかもしれません。でも、同じ家庭内にいながらメールでコミュニケーションというのも寂しいものです。二人しかいない家庭にTVが2台あるのも、夫婦仲にとって良い環境ではありません。

今は電話にしてもパソコンにしても、なんでもひとり1台そろっていますが、TVぐらいは家庭に1台で過ごしてみてはいかがでしょう?どの番組を見るのか話し合うのも立派なコミュニケーションですし、相手の好みの番組を付き合ってみることで、パートナーについて新しい発見があるかもしれません。

また、目的を持った「議論」や「伝達」ではなく、言葉のやり取りそのものを楽しむ「会話」に関しては、男性よりも女性のほうがもともと得意です。ですから、夫婦の会話に関してはやはり妻がある程度積極的に働きかけないと、なかなかうまく回りません。だんな様の趣味や嗜好にも多少は興味を持って、共通の話題を増やしていきましょう。できれば、夫婦で一緒にできる何かがあると、会話が弾みます。
特にないなら一緒に散歩に行くだけでもいいでしょう。外に出ることで家の中より話題のタネが増えます。

そのほかには、花を飾ったり季節によってカーテンを取り替えてみたりなど、家の中に変化を持たせることも話題づくりには有効です。植物や生き物を育てるのも、日々変化があって話題にしやすいです。プライバシーの尊重は相手への充分な理解があって、その上で初めてできるもの。最初からプライバシー尊重をかざすのは、相手への無関心につながってしまいますよ。


いかがだったでしょう?皆さんのご家庭に当てはまる事例はありませんでしたか?少しでもドキッとした主婦の方は気づいた時が良いチャンス。ぜひコミュニケーション力の高い妻を目指して、はじめの一歩を踏み出してくださいね。

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