鉄道/駅、鉄道グッズ

歴史の香り漂う神奈川の木造駅舎紀行(2ページ目)

湘南というと神奈川県南部の相模湾岸一帯を指しますが、そのさらに西寄りの地域、いわゆる西湘地域には、味わい深い木造駅舎がいくつか存在します。今回はその中から際立った3つの駅舎をご紹介しましょう。

執筆者:高橋 良算

ふらりと降りて歩いてみたい漁港の駅
早川駅

早川駅舎
早川駅は当時の標準仕様の木造駅舎
小田原駅の次が早川駅である。早川は、酒匂川がつくった足柄平野の出口に位置し、その点では大磯と似ている。そういう地形であるから、交通路も集まってくる。熱海や伊豆といった大観光地への入口となる場所で、週末になると国道や有料道路は混雑し、渋滞情報で早川の名は常連だ。

さて、こちらは渋滞のない鉄道の早川駅に降り立つ。のびのびとしたプラットホームの小田原寄りで山側を望むと、大きな観音様が穏やかなお顔で海を見下ろしている。観音様の足元には東海道新幹線の線路がある。

駅舎は、1922(大正11)年の開業時からある渋い木造である。青く塗られた壁と、赤茶色の屋根瓦がなんとなくマッチしているし、駅舎の横にある丸い郵便ポストも絵になる。ただし、自転車の数は多い。

早川駅舎
CMに近いアングルだが、ポストは陰に隠れて見えない
その佇まいから時折テレビなどにも登場するのだが、2005年にはJR東日本SuicaのCM「片想い篇」に出演した。キャラクターのペンギンと女の子が、大宮駅のエキナカで買ったケーキを持ってこの駅に降り立つ、というシーンである。

CMでは郵便ポストの位置が駅舎の正面に移動されていたので、そのことを駅員さんに聞いてみると、「そのほうがテレビ映りがいいからじゃないの?」ということだった。それはそうなのだが、どうせなら常にその「いい場所」に置いてくれればよいのに。

駅前から国道を渡って少し歩くと、たちまち潮の香りが漂ってくる。すぐそこが小田原漁港なのだ。そういえば、小田原といえば「かまぼこ」だし、「小鯵押寿司」「鯛めし」といった名物駅弁もある。海産物に恵まれた土地なのだ。

小田原漁港
小田原漁港までは歩いてすぐ
漁港では土曜日に朝市が開かれたり、小田原さかなセンターという観光市場もあるが、何といっても寄るべきは魚市場内にある「魚市場食堂」だ。

安くて新鮮な海の幸が味わえるので、いつでも地元客や観光客で賑わっている。昼どきには少し待たされることもあるだろう。なお、市場という性質上、夕方や夜に行ってもやっていないのでご注意。

すっかり駅舎の話題からそれてしまったが、駅を起点にぶらぶらするのは、何より楽しい。そして戻ってくれば駅舎が疲れを癒してくれる。これぞ至福の極み。



[駅データ]
早川(はやかわ)駅/JR東日本・東海道本線
所在地:神奈川県小田原市
開業日:1922(大正11)年12月21日
地図:Yahoo!地図情報

[関連サイト]
小田原バーチャル観光 小田原漁港
魚市場食堂
小田原さかなセンター



次は美しい海の眺めと悲しい歴史のある駅で途中下車。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます