『20歳のソウル』主演の神尾楓珠さんにインタビュー
出演作が続々と公開される人気上昇中の俳優・神尾楓珠さん。そんな彼の最新主演作は、実話の映画化『20歳のソウル』です。千葉県船橋市立船橋高等学校の応援曲「市船soul」を作った、同校の吹奏楽部員の浅野大義さん。癌を患い20歳で永眠した浅野さんを演じた神尾楓珠さんに、役作り、映画の裏側、今後の俳優人生についてインタビューしました。
吹奏楽部員の皆さんの協力のもと、トロンボーンを特訓!
―市立船橋高等学校で、代々受け継がれている応援曲「市船soul」を作った浅野大義さんを描いた映画『20歳のソウル』。前半はまぶしいくらいの青春物語。後半は闘病生活をしながらも、精一杯生きた浅野さんの力強さが描かれていますね。実在の人物を演じることで、難しいこともあったと思いますが、役作りについて教えてください。神尾楓珠さん(以下、神尾)
吹奏楽部顧問の高橋先生やご家族など、たくさんの方に協力していただき、浅野大義くんの吹奏楽部での立ち位置や彼のキャラクターについて、いろいろなお話を聞きました。
みなさん、大義くんはまっすぐな性格で、友達思いで、愛される人物だったとおっしゃっていました。みんなが大義くんのことが大好きだったのは、彼の言動には嘘がないからじゃないかと思います。そこは絶対にぶれることがないように演じようと思いました。 ―映画ではトロンボーンを演奏したり、市立船橋の旗士として旗を振ったりしていましたが、それらも練習を積み重ねたのですか?
神尾
楽器の演奏は撮影の2カ月くらい前からスタートして、撮影に入ってからも市立船橋の吹奏楽部員のみなさんに教えてもらいながらやっていました。トロンボーンは、唇の動きやスライド管の動きで音をコントロールするんです。唇で音を出し分けたり、スライドを素早く動かしたり、難しくて大変でした。
旗を振る練習は、当時の在校生の旗士担当の方に教えてもらいました。旗は腕ではなく、腰でコントロールするんです。そのコツを掴めたら、すぐできるようになりました。あの大きな旗を振るのは、すごく気持ちよかった(笑)。ただ撮影の日は風が強い中、海沿いで旗を振りまくったので、海に落ちるんじゃないかと少し怖かったです(笑)。
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