カラーコーディネート

2022年のトレンドカラーは「淡いパープル」のような優しい色。配色コーデの正解は?

世界的なカラートレンドを予測するアメリカのパントンは、翌年のトレンドカラーを象徴する色として、パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーを選びます。2022年は新色の「ベリー・ペリ(Very Peri)」という淡いパープル系が作られました。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

2022年の色は、新色「ベリー・ペリ」

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2022に選ばれた「ベリー・ペリ」

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2022に選ばれた「ベリー・ペリ」

世界的なカラートレンドを予測するアメリカのパントンは、毎年12月に翌年のトレンドカラーを象徴する色として、パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーを選びます。2000年にスタートしたパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは、パントンの色見本の中から選ばれるのが慣例でしたが、2022年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは、「ベリー・ペリ(Very Peri)」という新しい色が作られました。ベリー・ペリとは、ラベンダーやクロッカスなどに見られるようなパープル系の淡い色のこと。パントンは、ベリー・ペリについて、次のように述べています。

活気のある赤紫の色味を帯びたダイナミックで紫がかった淡いブルーの新色

ブルーの持つ誠実さと不変性、レッドの持つエネルギーと興奮を融合させた、この最も幸せで暖かいブルーの色合いは、元気を与える新しさの素を注入します。

これまでのパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーを振り返ってみると、2018年に「ウルトラ・バイオレット(Ultra Violet)」という鮮やかなパープル系が選ばれています。淡いトーンの「ベリー・ペリ」は穏やかでありながら、複雑さを持ち合わせた色といえるでしょう。
 

パープル系は、暖色系でも寒色系でもない、“常温”の中性色

色は心理的効果によって、暖かい感じを与える暖色系と寒い感じを与える寒色系に大別されます。一般的に、暖寒感は色相に大きく支配され、色相が赤から青に変化するに従い、暖かい感じから寒い感じに変わります。それぞれの色相を分類すると次のようになります。

・暖色系=赤紫・赤・橙・黄
・寒色系=青緑・青・青紫
・中性色系=黄緑・緑・紫

色の寒暖感は、彩度や明度によって左右されますが、一般的な傾向として、明るい色は寒い感じが強くなり、暗い色は暖かい感じが強くなります。例えば、青よりも水色の方が冷たく感じられ、ブルーグレーや紺色は冷たい感じが弱まる、といった具合です。

パープル系は、赤と青の配合を少し変えるだけで、ライラックのような暖色系になったり、ウィステリア(藤の花)のような寒色系になったりします。「ベリー・ペリ」という色は、“常温”のような中性色と“ひんやりとした”寒色系の中間の色。パントンの予測によれば、2022年は少しクールな常温の色が好まれると考えているようです。
 

淡いパープル系の「ベリー・ペリ」を取り入れたコーディネート

今回は、「ベリー・ペリ」を取り入れたファッションのコーディネートを見ていきましょう。

■1:定番色の白・黒・ベージュとコーディネート
出典:WEAR

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白いトップス、ベージュのスカートに、淡いパープル系のカーディガンを羽織ったシンプルなコーディネート。白やベージュなどの明るめの定番色と合わせやすい反面、ぼんやりした印象になりがちです。バッグとシューズを黒で揃えて、全体の印象を引き締めています。

■2:グレー系のスウェットシャツとコーディネート
出典:WEAR

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淡いパープル系のパンツにグレーのスウェットシャツを合わせたコーディネート。黒では強すぎると感じたときは、グレー系で明るさのバランスを整えるとすらりとした印象になります。スウェットのロゴとブーツを白で揃えて、軽やかな印象に整えています。

■3:オリーブのミリタリージャケットとコーディネート
出典:WEAR

出典:WEAR

淡いパープル系のパンツに、オリーブグリーンのミリタリージャケットを羽織ったコーディネート。インナーのシャツとブーツを白で揃えて、軽やかにまとめています。黒いマフラーをくるりと巻いて、縦長のシルエットを作っています。

■4:グリーン系ワンピースとコーディネート
出典:WEAR

出典:WEAR

モスグリーンのニットとパステルグリーンのワンピースに、パープル系のニットを重ねたレイヤードスタイル。ニュアンスの異なるグリーン系に、パープルを重ねる意外性が◎。グリーンもパープルもどちらも中性色なので、穏やかなムードを演出しています。

■5:ブラウン系×グリーン系とコーディネート
出典:WEAR

出典:WEAR

白いトップスとグリーン系のパンツに、パープルとブラウンの配色カーディガンを羽織ったスタイル。グリーンとブラウンが濃い目なので、トップス、イヤリング、スニーカーに白を取り入れて、軽やかさを演出しています。

■6:パープル系ストライプ柄シャツとコーディネート
出典:WEAR

出典:WEAR

パープル系のニットにオーバーサイズのパープルとホワイトのストライプ柄シャツを重ねた、2022年らしいスタイル。白いパンツ、白いスニーカーを合わせて色数を絞り、シンプルにまとめています。

今回は、パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2022に選ばれた「ベリー・ペリ」を使った6つのコーディネート例をご紹介しました。淡いトーンの色なので全体も淡いトーンでまとめた方が、バランスを整えやすいのですが、ぼんやりしすぎないように、黒やブラウンなどのダークカラーで引き締めるといいでしょう。小物づかいを工夫しながら、パントンの新色「ベリー・ペリ」を取り入れてみてくださいね。

参考
PANTONE COLOR OF THE YEAR 2022 / INTRODUCTION(英語)
PANTONE COLOR OF THE YEAR 2022 / INTRODUCTION(日本語)


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