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商業地域のマンションの日照は保護されない!?

住宅の日照は最低限の範囲で保護されることも多いのですが、商業地域のマンションはどうでしょうか。購入前には日照に関する規定を理解するとともに、周囲の様子をよく確認しておくことが欠かせません。

執筆者:平野 雅之


マンションの南側に密着するように新たなマンションが建てられ、日照や眺望が失われる。建築計画が明らかになるたびに住民の反対運動が起きる。大都市では日常茶飯事のように繰り返されている光景かもしれません。

十数年前に、さいたま市浦和区でのマンション建設反対運動が報道されていましたが、南側に順に4棟のマンションが建てられ、反対運動の連鎖が起きているという事例でした。

2棟目が建つときに1棟目の住民が反対運動をし、2棟目の住民は3棟目が建つときに反対運動、そして4棟目が計画されて今度は3棟目の住民が反対運動を起こしたというものです。

マンションやビルの建設にあたっては日影規制などもあるため、「1階でも最低限の日照は確保されるはず」と考えていたらそれは大きな間違いでしょう。

用途地域が「商業地域」であれば日影規制は適用されず、建ぺい率の制限も適用されないケースがあるのです。空地を設けずに敷地境界線いっぱいまで建てることも法令上は可能であり、マンションの公開空地や提供公園は別途の指導要綱などによるものです。

つまり、「商業地域」では日照も眺望も法律による保護はありません。役所(あるいは指定確認検査機関)は法令に合致していれば建築確認を下ろしますから、近隣住民の味方になってくれるわけではなく、建築主との話し合いを勧めてくれるだけのことも多いでしょう。

マンションを購入するときに用途地域のことをあまり気にしない人も多いようですが、商業地域で南側に空地があれば、近接して必ず何かが建つと考えたほうがよいかもしれません。現在は隣地が古いビルなどでも、それが建替えられることもあります。

営業担当者に「隣に何か建つのか」と聞いて「何の計画もありません」と答えられても、それはあくまでも現時点の話であり、安心してはいけません。

すでにある計画を知りながら黙っていたとすれば論外ですが、どんな営業担当者だって将来のことは分からないのです。その「将来」が数か月後のことだってあり得るでしょう。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2006年12月公開の「不動産百考 vol.6」をもとに再構成したものです)


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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