オープンラッシュが続く箱根の注目宿
日本を代表する観光地として、一年を通じて国内外からの観光客で賑わう箱根だけに、近年新しいホテル・宿が続々誕生しています。その中から、ぜひ泊まってみたい注目の宿をご紹介します。近年オープンした宿の大半に共通するのが、“スモールラグジュアリー”。その一方で、コンドミニアムタイプやブックホテル、宿泊特化型のリーズナブルな宿や100室超の大型旅館と百花繚乱! ぜひチェックして!<目次>
- 箱根で注目の宿1. 「箱根 ゆとわ」
- 箱根で注目の宿2. 「箱根本箱」
- 箱根で注目の宿3. 「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原」
- 箱根で注目の宿4. 「NEST INN HAKONE 俵石閣」
- 箱根で注目の宿5. 「天翠茶寮」
- 箱根で注目の宿6. 「箱根強羅 白檀」
- 箱根で注目の宿7. 「箱根小涌園 美山楓林」
- 箱根で注目の宿8. 「箱根小涌園 天悠」
コンドミニアムタイプが新鮮! オールインクルーシブスタイルが嬉しい
「箱根 ゆとわ」
箱根登山鉄道強羅駅から平坦な道を歩いて5分の恵まれた立地に、2019年8月11日にオープンしたリノベーションホテル。客室は全72室。ホテルタイプ(東棟・西棟)とコンドミニアムタイプの2つのスタイルに分かれ、さまざまなニーズに応える造り。特に10室あるコンドミニアムタイプには源泉かけ流しのビューバスのほか、広々としたリビングとIHコンロ付きミニキッチンが設えられ、別荘感覚での長期滞在も可能です。
もうひとつの特徴がパブリックスペースが充実していること。西棟2階の大浴場そばには「スパラウンジ・ナカニワ」を設置。ウッドデッキに出ると自家源泉を使用した足湯があり、足湯に浸かって寛ぐことも。デッキの中ほどには焚き火炉もあり、夜は炎を眺めてゆったり過ごせます。
また東棟2階には「ライブラリーラウンジ」も。本棚には四季をテーマに集めた約700冊の本から、その季節に相応しい写真集や小説、実用書などを揃え、13種類のフリードリンクを片手にじっくりと読書が楽しめます。本棚の一角にも円形にくり抜かれたとっておきの読書スペースが!
こちらの宿のもうひとつの魅力がオールインクルーシブスタイルであること。つまり2食付きの宿泊プランには、レストランやラウンジでのドリンク(夕食時はアルコールも含め90分間飲み放題)、貸切風呂利用料まで含まれていて、追加料金が不要なのです(一部別料金の施設あり)!ちなみに夕食は和食中心のハーフブッフェ形式。まずテーブルに前菜とお造り、メインの大文字鍋が用意され、焼き物や天ぷら、蕎麦や季節のデザートなどは好きなものを好きなだけいただけます。 大浴場は男女ひとつずつと貸切風呂を2ヶ所用意。自家源泉のニノ平温泉はナトリウム–塩化物温泉で、肌が滑らかになると言われています。特に女性用大浴場は光の演出が幻想的。天井や壁をくり抜いた窓からもれる自然光が、色アクリルを通して湯に映り込みます。貸切風呂は当日予約制で1回45分、自家源泉の湯が楽しめます。 「箱根 ゆとわ」
・TEL:0460-82-0321
新たな本と出会い、本に囲まれて暮らすように滞在するブックホテル
「箱根本箱」
2018年9月のオープン以来、「本との出会い」、「本のある暮らし」という斬新なコンセプトで話題を呼んでいるのが「箱根本箱」。その名の通り、宿そのものがまるで本箱! こちらは書籍流通大手の日本出版販売株式会社の元保養所を、株式会社自遊人が再生したブックホテルです。エントランスの正面に広がる、ロビーラウンジの壁一面が巨大な本棚で埋め尽くされ、圧巻! こちらには国内外の良書、約1万2000点が揃い、全ての本を館内で読むだけでなく購入することもでき、本好きにとってはまさに楽園! プロが選書を手がけているのでセレクトセンスも良く、宿泊客の多くが購入していくのだそう。 ユニークなのは、全客室を中心とした館内にも、各界の本好きな著名人の選書を集めた「あの人の本箱」を設置していること。開業1周年を機に、新たな選者による選書も加わり、さらに本箱もバージョンアップしました。静寂の中でどっぷりと本と対峙できるので、ひとり旅にもおすすめです。 ブックホテルとしての魅力だけでなく、全室に源泉かけ流しの露天風呂が付き、さらに男女別の内湯と露天風呂もあるので、名湯にも心置きなく浸かることができます。 さらに料理でも宿泊客の心を掴んで離しません。ロシアの作家によるブックアートが目を引くレストランでいただけるのは、ミラノの名店で腕を磨いたシェフによる自然派イタリアン。 地元生産者から直接素材を仕入れるほか、シェフ自らパスタや生ハム、カラスミなどを手作りするこだわりよう。器選びや盛り付けも斬新で最後まで楽しませてくれます。ワイン片手にここでしか味わえない極上のディナーコースを存分に堪能したいもの。 「箱根本箱」
・TEL:0460-83-8025
極上のディナーを目的に訪れたい「滞在できるレストラン」
「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原」
創業100余年の老舗宿がリブランドオープン
「NEST INN HAKONE 俵石閣」
次にご紹介するのが、仙石原で創業100余年の歴史をもつ老舗宿「俵石閣」が、2016年夏にリブランドした「NEST INN HAKONE 俵石閣」。かつて芸術家や文化人が作品制作や思索のためにこもった隠れ家(=NEST)のごとく、“訪れる人にとっての自己発見や再生の場に”という願いが込められています。
約2万4000平米の広大なスペースは、3棟全37室のホテル、レストラン、ベーカリーショップ、温泉施設からなる「NEST INN HAKONE」エリアと、11棟の数寄屋造りの離れ、日本料理店、茶寮、スパ施設からなる「俵石閣」エリアで構成されています。
「NEST INN HAKONE」のレセプションはカフェを兼ねていて、ウェルカムドリンクにはオリジナルスペシャリティコーヒーを提供。チェックインと同時に挽きたての豆で淹れてくれるこだわりよう。
ベーカリーショップでは、鎌倉の「PARADISE ALLEY BREAD & CO」とコラボした天然酵母パンを販売。夕朝食でも味わえるなど、ユニークな試みが光ります。
客室は木々に囲まれ、照明は控えめでテレビも設置されず、仙石原の自然の息吹を肌で感じながらリフレッシュ。大浴場の内湯では大涌谷から引いた効能豊なにごり湯を心ゆくまで堪能できます(露天は湧き水を使用)。
一方「俵石閣」の戸建離れは、100余年の伝統を受け継ぎつつもモダンさも兼ね備えた別荘を思わせる造り。地形に合わせて建てられているので、すべて異なる間取りになっています。
すべての離れに内湯または露天風呂が付き、大涌谷から引いた源泉を部屋にいながらにゆったりと楽しむことができ、あたかも、もうひとつの我が家のようにリラックスして過せるでしょう。
数寄屋造りの本館には、本格会席料理を提供する料亭とカジュアルスタイルの茶寮の2カ所の食事処があり、日本全国から厳選される旬の食材がふんだんに使われた会席料理が味わえます。
「NEST INN HAKONE 俵石閣」
・宿泊料金:「NEST INN HAKONE」1室2名利用で1泊2食付き1名3万78円~ ※税サ込、「俵石閣」1室2名利用で1泊2食付きで1名8万6400円~ ※税サ込
・交通:小田急線・箱根登山鉄道箱根湯本駅から桃源台行きバスで約22分、俵石・ガラスの森前下車徒歩5分
日本の伝統美と強羅の自然が融合
「天翠茶寮」
・TEL:0570-050-148
眺望デッキに配された客室露天で自家源泉かけ流しを堪能
「箱根強羅 白檀」
・TEL:0460-87-0010
・宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き1名3万4560円~ ※税サ込・入湯税別
・交通:箱根登山鉄道小涌谷駅から車で約5分(事前予約で送迎あり)、または箱根湯本駅から箱根園行きバスで約21分、みどりの村入口下車徒歩2分
開発が目覚ましい小涌谷温泉にはタイプの異なる2軒が
「箱根小涌園 美山楓林」
小涌谷温泉でも昨秋、今春と新たな宿泊施設が続々と誕生! 開発が目覚ましいエリア。まずは2016年3月開業の「箱根小涌園 美山楓林」です。
客室数は全13室と規模的には前述の施設と同様ですが、こちらは宿泊特化型というコンセプト。素泊まりスタイルの宿で、朝食としてパンやコーヒーをセルフサービスにて無料提供しています。
客室もシンプルな設えの和室、和洋室で、ビジネス利用からグループ旅行まで、さまざまなニーズで利用できそう。
最大の魅力が温泉。大浴場の露天風呂では「箱根小涌園」初となる、小涌谷温泉が源泉かけ流しで楽しめます。貸切風呂も用意され、当日予約で1組1時間無料が嬉しい! さらに、徒歩5分の「箱根ホテル小涌園」内の露天付き大浴場も無料で利用できるので、存分に湯めぐりが楽しめます。「箱根小涌園 美山楓林」
・TEL:0460-82-1605
全室露天風呂付き。エリア最大規模の高級旅館が誕生
「箱根小涌園 天悠」
最後に、2017年4月20日の開業が待たれる「箱根小涌園 天悠」。小涌谷エリアの山肌に張り付くように建ち、地上9階建て・全150室を誇る規模で誕生します。
すべての客室のバルコニーには温泉露天風呂を備わり、部屋にいながらに自家源泉の温泉が好きなだけ堪能できます。目の前に広がるのは、箱根外輪山や渓谷の自然。四季折々の風景が目を楽しませてくれるでしょう。
大浴場は5、6階に分かれてあり、男女入替制。5階の露天風呂からは「呉坊の滝」を、6階の露天風呂からは箱根外輪山の大パノラマが広がり、まるで空中に浮かんでいるような心地よさが味わえるはず。
標準タイプの客室については、畳にツインベッドが配され、信楽焼の露天風呂が備わる造りで統一されていますが、特別客室6室については50~70平米と広さがあり、趣向を凝らした造りなので必見。
それぞれに“時代×文化”、“自然×四季”をテーマに、6室すべて異なる内装・インテリアで、その空間世界にどっぷりと浸れそう。また朝・夕食ともに部屋食が基本なので、部屋から一歩も出ることなく大切な人と水入らずで過ごせます。
滞在中にはさまざまなアクティビティも実施予定。スタッフの解説による星空観察や庭園での朝ヨガなど、宿にいながらに箱根の自然の息吹が実感できそうです。
「箱根小涌園 天悠」
・住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297
・TEL:0460-82-5111(予約受付、9:00~20:00)
・宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き2万8000円~ ※サ込、税別
・交通:小田急線箱根湯本駅から箱根町・元箱根港行きバスで約25分、小涌園下車徒歩5分